6/23(土)『REVENGE リベンジ』上映後Q&Aレポート

REVENGE リベンジ

6/23(土)『REVENGE リベンジ』上映後Q&Aレポート

ゲスト:コラリー・ファルジャ(監督)
モデレーター:佐藤久理子

昨年、大好評だった『RAW 少女のめざめ』に続いて、フランス映画祭に話題のジャンルムービーが登場する。まるで女性版『マッドマックス』とでもいうべき、爽快なアクション・ホラー『REVENGE リベンジ』の上映後に、今回が初来日というコラリー・ファルジャ監督が終始笑顔を絶やさず登壇した。Q&Aでは、プライベートで来場していた横浜市長から感想が寄せられるなど、深夜にもかかわらず大勢のお客様で賑わった。

主人公のジェニファーが前半と後半とでは全く印象が違いますね。この主人公の女性が徐々に変わっていくというアイディアはどこから思いつかれたのですか?

人間の両極端の姿を、象徴的に表現したかったんです。前半は男たちの目を惹くロリータ、後半は恐れを知らない復讐の塊のような。

ヒロインのマチルダ・ルッツの演技は完璧に役に合っていました。彼女はモデル出身ですが、どのようにして出会ったのですか?

実はジェニファーの役は最初、マチルダ以外の女優で決まっていたんです。でも、撮影の1週間前にその女優が降板してしまいました。きっと、土壇場でこの映画の撮影に恐れをなしたのだと思います(笑)そこで、以前オーディションで「いいな」と思っていたマチルダにすぐ連絡をとりました。初めて会ったとき、とても良い印象を持っていたんです。私のことを信頼してくれていました。まさにそうした信頼こそが、私がこの映画の主演女優に求めていることでした。彼女はすぐに出演を快諾してくれ、アメリカからやってきてくれました。

これまで「復讐もの」の映画はたくさん作られていますが、他の作品との違いをどうやって出そうとされましたか?

REVENGE リベンジ
確かに、いわゆるリベンジムービーの枠には入る映画だと思います。例えば、『キル・ビル』とか『ランボー』とか。いったんはボロボロになるまでやられてしまった主人公が、最後に不死鳥のように立ち上がる作品ですね。この作品ではフェミニスト的なヒロインを登場させたいと考えていました。差別や男性からの性的な視線の暴力といったものに立ち向かう女性です。同時に、ビジュアル面で砂漠や大自然が単なる背景ではなく、まるで個性をもった人間のように存在している世界観を作りたかったんです。ヒロインの女性はその中で進化していく。血も暴力も過剰かもしれませんが、私が描きたかったのは、狂気じみた状況の中で常軌を逸した出来事が起きるユニークな作品でした。

「フェミニスト」という単語が出ましたが、映画界では「MeToo」ムーブメントなども社会的に取り上げられるようになりました。監督は日頃から、そうした問題を体現して立ち向かうようなヒロインが少ないと思っていたのでしょうか?

確かに女性として感じるところはあります。おそらく「MeToo」のような問題は何世紀も前からずっと存在していたのだと思います。だからすぐに変わることは難しいかもしれません。でも、最悪なのはそれを慣習のようにしてしまうことです。映画を通して、それに対する異議を発せられたら素晴らしいことだと思います。

本作を作るにあたって、影響を受けたホラー映画などはありましたか?

直接インスピレーションを受けた作品はないですが、あえて挙げるとしたらデヴィッド・クローネンバーグ監督の作品です。彼は単なるホラー映画ではなく、とても芸術的な演出をする監督です。肉体的・感覚的に訴えてくるバイオレンス描写が得意で、「切り刻む」といった生物学的な描写もインパクトがあるけど、アートの域にまで昇華されています。私も意味のない暴力は見せたくありません。現実を超越したファンタジーとして血を見せたいのです。嬉しいことに、お客様の中で普段ホラー映画をあまり観ないという方でも、この映画なら見たいという方がいらっしゃいました。この作品に芸術性を見出してくださると嬉しいです。

(ここで鑑賞していた横浜市長の林文子氏からの感想)
林市長:今日はプライベートで鑑賞に来ていました。私が最初この映画を観ると言ったら、周囲の人から「市長、この作品はとても残酷で目を覆わんばかりで、不快に感じられるかもしれません」と言われました。でも、全くそんなことはありませんでした。私がとてもいいなと思ったことのは、監督がいま仰られたようなフェミニスト的テーマを言葉で説明していないことです。特に、ラストのヒロインと敵役の男性が戦うところは、お互いの生存本能をぶつけ合うところが清々しいほどでした。全く気持ち悪くありませんでした。女性と男性が対等に戦うことのしなやかさに感動しました。今晩はとてもスッキリして眠れそうです。来年もぜひ横浜に素晴らしい作品を持っていらしてください。

私は日本に来たのは今回が初めてですが、とても暖かい言葉をかけていただいて嬉しいです。ありがとうございます。

REVENGE リベンジ』は、7月7日(土)よりシネマート新宿・心斎橋ほか全国順次ロードショー

REVENGE リベンジ
☆コラリー・ファルジャ監督と林文子横浜市長

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