『Àma Gloria(原題)』インタビュー
―マリー・アマシュケリ監督、作品について教えてください。
 
監督:私の隣にいるルイーズちゃんが主役のクレオを演じています。母親がおらず乳母に育てられてる女の子のお話です。彼女は撮影当時6歳だったんですよ。大好きな乳母が、自分の子どもたちのために西アフリカの島国カーボベルデに帰らなければならないので、最後の夏をそのカーボベルデで過ごす、というストーリーです。移民で出稼ぎで来ている労働者の乳母との交流、そして、彼女の子どもたちとの交流も、クレオの冒険を交えて描いています。
 
―ルイーズ・モーロワ=パンザニさん、本作が映画初出演とのことでしたが、映画にでてみてどうでしたか?
 
ルイーズ:撮影現場はすごく面白かった、楽しかったです!
 
監督:技術や音響の人とか撮影の人とかカメラの人の隣で、映画を撮り方を面白そうに見ていました。
撮影はカーボベルデで…何週間だっけ?
 
ルイーズ:6週間!
 
監督:彼女は私よりも記憶力がいいんです(笑)カーボベルデで6週間撮影した後、パリで7週間行いました。撮影が進むにつれて、彼女がコメディエンヌとして、女優として、どんどん彼女が成長し、変わってくのが分かりました。
 
ルイーズ:海に飛び込むシーンも凄く楽しかったです。
 
監督:映画の中で、海に飛び込むシーンがあるのですが、実際の撮影は海ではなく「ここがその海だから飛び込んでごらん」とイメージしてもらいながら、高いとこから普通の絨毯の上に飛ぶような感じで撮影したんです。他にも海で泳ぐシーンもあり、ルイーズはそれで泳げるようになったんですよ!
撮影3日目の時の話なんですけれども、彼女は6歳でまだ凄く小さかったんです。しかも、撮影がカーボベルデという外国で。私自身もすごくストレスがあったので、心配していて。棚の横に隠れて彼女に後ろからセリフをささやいたり、色んなことを言ってたんですけれども、1週間もすると彼女は、「もういいよ!私全部セリフ頭に入ってるから!」って(笑)ほんとにすごい目覚ましい成長をしていて、私はもうその後は何も言わなかったです。また、彼女のその成長ぶりにとても私は満足しました。嬉しかったです。
 
―横浜の印象はいかがでしょうか。
 
監督:14時間のフライトですごく長かったんですけれども、もう日本に行きたくてしょうがなくて、日本が大好きなんです!ルイーズも帰りたくないくらい日本が好きなようです。特に日本食が大好きで、なんでも食べるそうです。いろんなもの食べてみているそうです。ルイーズのお母さんも一緒に来てるんですけど、一緒にいるとルイーズが色々歩いて回りたがるそうで、彼女についてくのが大変だって言ってましたね(笑) お母さんは実は日本語を勉強したことがあるそうでルイーズも知っている日本語があるんですよ!
 
ルイーズ:コンニチハ!アリガトウゴザイマス!
 
監督:今は日本語から離れていてちょっと忘れてるとこもあると思うんですけど、ところどころは分かるそうですよ!
今回、私自身も日本に来られてすごく光栄に思っているんですけれども、こうしてこのフランス映画を-子どもがカーボベルデに行って冒険する、という内容的にも―日本で紹介することができて、日本の観客の方々の反応をみることができるのが私にとってもすごく楽しみなんです。異なる文化の交流といいますか、反応とかを味わえること、そしてそれを経験できるのが私にとってもすごく嬉しいです。
実は私、初期の頃の短編で、60年代のフランス人歌手の”横浜”という歌を使ったんですよ。今回、こうやって自分の作品で日本に来ることが出てよかったです!
 
―最後にこの作品の公開を楽しみにしている観客の皆さんにメッセージをお願いします。
 
ルイーズ:大好きです…!観客の方に大好きですっていう風に伝えたいです!
 
監督:ルイーズは昨日たまたま日仏ハーフの女の子と出会うことができたんです。彼女が2か国語喋ってるので、すごくびっくりしたようです。大人同士の交流は、なかなか難しい場合もあるんですが、子どものうちにそうやって異文化と交流したりしていて、それをみているのもすごく微笑ましいです。その女の子も横浜フランス映画祭でこの映画みる言ってたそうなので、もうすでに子どもたちのレベルでのそういう交流が始まっていることがすごく嬉しいです。本当に素晴らしいです。
 
 

Àma Gloria(原題)』 Àma Gloria

監督:マリー・アマシュケリ
キャスト:ルイーズ・モーロワ=パンザニ、イルサ・モレノ
©2023 LILIES FILMS