6/23(土)『Memoir Of Pain/メモワール・オブ・ペイン(英題)』上映後Q&A

Memoir Of Pain/メモワール・オブ・ペイン(英題)

6/23(土)『Memoir Of Pain/メモワール・オブ・ペイン(英題)』上映後Q&A

ゲスト:メラニー・ティエリー(女優)
モデレーター:佐藤久理子

近代フランスを代表する小説家マルグリット・デュラスの自伝的小説「苦悩」を基に描く壮大な愛の物語『Memoir Of Pain / メモワール・オブ・ペイン(英題)』。ナチス占領下のパリで愛する夫を待ち続ける作家マルグリットを演じたのは『海の上のピアニスト』や『ザ・ダンサー』で知られるメラニー・ティエリー。上映後にハリウッド映画などでも活躍する実力派女優が満員の会場に登場した。

本作の出演を熱望されたとお聞きしたのですが、どのような経緯で主演に決定されたのでしょうか?

Memoir Of Pain/メモワール・オブ・ペイン(英題)
監督にとって、特にご自身で脚本も書いている作品の場合は、どの俳優が主演を演じるのかは非常に重要なことだと思います。脚本を書いている段階でも監督なりのデュラスの顔や声を想像していたことと思います。
実は今回はオーディションを受けたのですが、とても長い時間がかかりました。私にとっては何ヶ月も待つこと自体が耐え難く、長く続いた苦悩でした。まるで判決を待つような気持ちです。主演に決まったときは感動しましたし、前にもご一緒した尊敬できる監督と再会できるのも、とても楽しみでした。

原作を読まれた方の多くも主役はマルグリット・デュラス本人だと思って読んでいたと思います。この映画の役名もマルグリットですし、役作りではどれくらいデュラスを意識されましたか?

彼女の人物像を演じるにあたっては、内面的にも作り上げる必要がありました。原作を映画化したものではありますが、あくまで本作はフィクションです。この40年代のデュラスは、のちに偉大な作家となるデュラスの前の時代なので、まだ大作家として存在していない時期です。大成する前の「デュラス以前のデュラス」。私が尊敬している偉大すぎる作家としてではなく、一人の女性として演じました。

パリの女性たちの姿に感動しました。待つだけのつらさ、そして絶望と恐怖。そのような状況下での女性たちの想いを代弁している映画だと思います。このテーマについて監督とどのような話をされましたか?

それこそ監督の意図だったと思います。戦争中を描いた映画はすでにたくさんあります。氾濫しているなかで、新しい視点をもたらす必要がありました。当時の待っている女性たちにフォーカスが当たることなど今まではあり得なかったことです。暖かい目線で彼女たちに注目した。その点においてはとても素晴らしいと思いました。
また今回は監督にとっては個人的な思い入れのある作品だと思います。戦時中、監督のお父様はまだ子供だったのですが、色々な場所に何ヶ月も隠れて過ごしている間に、自分以外の親や兄弟がみんな連れ去られてしまい強制収容所で亡くなってしまったそうです。もう戻ってこないのですが、お父様はどこかでずっと家族を待ち続けているような人生だった。

どのような女性をイメージしましたか?原作以外のデュラスの作品を読まれたり、参考にしたところはありますか?

皆さんそれぞれの解釈があると思いますが、原作となった「苦悩」を少し読み解きますと、その時代を生きている若くて冒険心や生命力に溢れている精力的なデュラスと、もう一方で記録をしたり冷静に見ているデュラスも存在しています。2人のデュラスがいるような文体になっている。役作りには幸いたっぷりと時間がありました。リサーチをたくさんして、必要なことを教えてもらうために色々な人と会い、入念に準備をしました。役作りはデュラスの作品を読み漁ればいいということではなく、もっと内なる個人的な部分まで探って作っていきました。監督も色々とインスピュレーションをくれる方でしたので、このような素晴らしい作品ができあがったと思います。

Memoir Of Pain/メモワール・オブ・ペイン(英題)』は、2019年2月Bunkamura ル・シネマほか全国順次公開

Memoir Of Pain/メモワール・オブ・ペイン(英題)

Memoir Of Pain/メモワール・オブ・ペイン(英題)

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