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【レポート】6/25 スターチャンネル presents 『チェイサー』特別上映トークショー

6月25日(日)、有楽町朝日ホールにて、スターチャンネル presents 『チェイサー』の特別上映が行われた。今回の特別上映は、フランス映画祭2017に協賛しているスターチャンネルが放送中の年間特集「アラン・ドロンがいっぱい」(毎週日曜夜9時放送)の関連企画として実現。上映後のスペシャルトークショーには、映画ライター/コメンテーターの清藤秀人さん、映画ジャーナリストの立田敦子さんをゲストに迎え、アラン・ドロン出演作品の多彩な魅力について語ってもらった。

さっそく、司会進行役の東京国際映画祭プログラミング・ディレクター矢田部吉彦さんが、『チェイサー』(77)についてコメントを求めた。清藤さんは、アラン・ドロンとかつて一緒に仕事をしたスタッフが再度集結して制作された、70年代を代表する作品だと『チェイサー』を評価する。そして、友人役として出演しているモーリス・ロネが『太陽がいっぱい』(60)でも同じフィリップという役名で登場していることから、『太陽がいっぱい』を彷彿させるような部分があることを指摘すると、会場が納得する場面も。「60年代後半から70年代にかけてのアラン・ドロンは美男であることに加え、あらゆるキャリアと経験を重ねて人間味が増し始めた頃ではないでしょうか」と清藤さん。

続いて、アラン・ドロン出演作品との出会いについて振り返ってもらうことに。立田さんが最初に観た作品は『太陽がいっぱい』で、アラン・ドロンが素敵だと感じたのは『山猫』(63)だったという。「物心ついた頃には、アラン・ドロンは正統派の美男の大スターという認識でした」と立田さん。また、清藤さんが最初に観た作品は『冒険者たち』(67)で、友人を作るときに『冒険者たち』が好きか嫌いかで選ぶほどのシネフィル少年だったことを披露。「アラン・ドロン作品はあたり前のように近所の劇場にかかっていて、空気のような存在でした」と清藤さん。ちなみに、矢田部さんにとっての出会いは『アラン・ドロンのゾロ』(75)で、リアルタイムに劇場で観た記憶があるという。

さらに、俳優アラン・ドロンについて立田さんは、「美しい顔の中に邪悪さを秘めているところに魅力を感じる」という。そして、一番好きなアラン・ドロン出演作品として、『あの胸にもういちど』(68)を挙げた。アラン・ドロンは主役ではなく、登場するのはほとんど回想シーンであるにもかかわらず、印象的な演技と存在感を残していると語った。それに応じて清藤さんが挙げた一番好きなアラン・ドロン出演作品も、偶然にも同じ『あの胸にもういちど』。「アラン・ドロンには、ファンの性別に関わらず、男も女も好きになる美しさ、セクシーさを持っているのではないでしょうか」と分析した清藤さん。

その後は、次々と出演作品について語られた。複雑な家庭環境に育ち、欠落感を内包するアラン・ドロンならではの魅力が引き立つ『太陽が知っている』(69)、外見より内面が重視されるといわれるフランス映画界において、ジャン=ポール・ベルモンドと互角に渡り合った『ボルサリーノ』(70)、ダンディズムの極致を描いたフィルムノワールの傑作『サムライ』(67)、チャールズ・ブロンソンとの共演で2人の対照性が際立つ『さらば友よ』(68)、アラン・ドロンとイヴ・モンタンの2人の化学反応が光る『仁義』(70)、アラン・ドロンのキャリアアップには欠かせなかったジャン・ギャバンとの共演作『地下室のメロディー』(63)、『シシリアン』(69)、『暗黒街のふたり』(73)。

また、フランス映画史を語る上でヌーヴェルヴァーグは欠かせないが、「60年代から70年代にかけて、ヌーヴェルヴァーグの作品群と商業的なアラン・ドロン作品という両輪がフランス映画を牽引していたのではないでしょうか」と、当時のフランス映画界について矢田部さんが言及。それに応じて、清藤さんが「(アラン・ドロンは)いつ寝ているのか?と思うほど立て続けに映画に出演し、日本でも圧倒的な支持を得ていました」と付け加えた。

最近、俳優デビュー60周年を機に引退宣言をしたばかりのアラン・ドロン。
最後に、清藤さんは、「実生活で苦労しながらも、そのリアルな人間臭さを役に投影した稀有な役者」と評した上で、「スターチャンネルで放映される53本という豪華ラインナップもさることながら、こうした作品を同じ時代に共有できることは、映画ファンとして至福を感じます」と述べた。立田さんは、「アラン・ドロンは、存在して当たり前の人、いつも素晴らしいと感じられる俳優。映画を観る上でレトロスペクティブのような一貫した企画はすごく貴重なので、今回のスターチャンネルの放送は素晴らしく、これで新たなアラン・ドロンを発見したいと思います」と語り、トークショーが締めくくられた。会場では、ゲスト同様に、アラン・ドロンへのさまざまな想いを巡らせていた様子がうかがわれた。

なお、BS10 スターチャンネルでは1月から1年間、53週にわたってアラン・ドロンの出演作を放送する特集「アラン・ドロンがいっぱい」を毎週日曜よる9時に放送中。ぜひ、アラン・ドロンの魅力をじっくり堪能していただきたい。

(取材・文:海野由子/撮影:白畑留美)

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