朝日新聞
フランス大使館・アンスティチュ
CNC
フランス大使館
フランス大使館
Procirep
ルノー
ラコステ
TitraFilm
エールフランス
TOHOシネマズ
スターチャンネル
レポート

【レポート】6/25『エタニティ 永遠の花たちへ』トークショー

6月25日(日)有楽町朝日ホールにて『エタニティ 永遠の花たちへ』が上映され、人気実力派女優たちの競演を観ようと、多くの観客が押し寄せた。上映後には、トラン・アン・ユン監督が登壇。「朝というフレッシュな時間に、大勢の方にこの映画をお届けすることができて嬉しいです」と挨拶した。トラン監督自身が、リスクがあり大胆な手法だったと語る最新作。その特別な表現方法についての話題を中心に、監督は観客からの質問に丁寧に応じた。

本作は、3世代の女性たちが織りなす、100年にわたる愛と命の物語。フランスを代表する三人の女優、『アメリ』(01)のオドレイ・トトゥ、『オーケストラ!』(09)のメラニー・ロラン、『アーティスト』(11)のベレニス・ベジョが、大家族に囲まれながら、強く美しく生きる女性たちを演じる。監督自身がベトナム戦争で家族を失ったことから、(原作の)大家族の物語に惹かれたと告白。感銘を受けた原作の世界をいかに洗練された映画的言語に置き換えるか、思慮を重ねたという。

原作を読んで監督が感じた「時の流れの偉大さと雄大さ」。「そのエモーションを伝えられる唯一の方法が、心理描写や劇的なシーンを必要最低限に抑えるという大胆な手法だった」と振り返る。「本作は、「永遠」から見た視点で描かれている。長い時の流れをみれば、戦争や家族の問題などの人生のディテールは全て消えてしまう。残るのは出産・死・結婚といった「思い出」だけなのだと思う」と演出理由について語った。

キャスティングについて客席から質問があると「表情を見せる映画にしたいと思った。そのため、俳優がスクリーンに現れた時、顔から人生や人間性を感じられるかということを重視しました」と、答えた。前作『ノルウェイの森』(10)が完成した1年後には本作のシナリオが出来上がっていたが、資金集めが難航。「俳優たちも、通常のギャラの十分の一程度でオファーを受けてくれたのではないか」と監督。

目を閉じると、まるで音楽会にやってきたのかと錯覚するほど、全編にわたってピアノやギターなどの美しい音楽が流れる。音楽について問われると「音楽に語らせるということを初めて試みた」と監督。「もっと正確に言うと、観客が自分でストーリーを紡ぐ助けを音楽がしているのだと思う。つまり、観客自身の中にある美の意識を音楽が刺激し、まるで観客が作家になった気持ちで、映画を観ながら話を紡いでいるという仕立てになっています」と音楽効果の狙いについて明かした。

観客が持っている美意識のポテンシャルを呼び覚ますような作品作りを毎回心掛けているというトラン監督。そのこだわりの表現を劇場で見ていただきたい。撮影しながら監督自身も何度も(感動して)涙を流したという本作は、今秋、シネスイッチ銀座ほかにて公開予定。本作のテーマである、生と死、出会いと別れが繰り返される愛溢れる人生の旅は、例外なく、あなたも歩んでいる。

(取材・文:小嶋彩葉/撮影:白畑留美)



朝日新聞
フランス大使館・アンスティチュ
CNC
フランス大使館
フランス大使館
Procirep
ルノー
ラコステ
TitraFilm
エールフランス
TOHOシネマズ
スターチャンネル