レポート

【レポート】6/25 『モン・ロワ(原題)』

FFF Japon2016_MON ROI_QAsession photo 3有楽町朝日ホールで6月25日(土)、『 モン・ロワ(原題) 』のマイウェン監督が登壇し、トークショーを行った。一組の男女の愛の軌跡を描く本作のタイトルは、日本語で「私の王様」という意味。このタイトルについて監督が観客の意見を求めるなど、双方向の意見交換が行われた。

今回が3度目の来日だというマイウェン監督は、開口一番、「コンニチハ!」とにこやかな笑顔で挨拶。女優としても活躍する美貌の女性監督に向けて、客席からは多くのカメラのレンズが向けられた。

カンヌ国際映画祭で最初に本作を観たという司会の市山尚三 東京フィルメックス プログラム・ディレクターが、まず「膝のリハビリ中の女性が過去を回想するという設定が面白いと思った」と感想を述べると、マイウェン監督はその意図について、「膝というのは、身体において唯一過去と結びついている器官」という言葉に出会ったことに起因していると述懐。「膝と同時に、心の傷を治す女性を描きたいと思いました」。

FFF Japon2016_MON ROI_QAsession photo 2質疑応答では、観客からまず「私の王様」というタイトルに込めた意味について質問があがった。すると監督は、「日本公開時の邦題は、ぜひ原題をキープしてほしい」と要望。さらに「日本語で『私の王様』というタイトルにすると、映画の内容に合っていると感じる?」と観客に逆質問。いくつか観客から意見と代案があがったが、監督はいささかピンとこなかった表情。引き続き意見を募集するとして、自身の解釈を次のように陳べた。「タイトルは、意識して多義的なものにしました。幸せな熱愛期に大好きな人に対して思う『モン・ロワ』、二人の関係が壊れてもなお夫ジョルジオに対する愛があるがゆえに、妻のトニーがなんとか服従しようとする時期の『モン・ロワ』。最後は、服従していたトニーと『王様』だったジョルジオの立場が逆になり、トニーの彼に対する愛情は優しさへと変化します」。

FFF Japon2016_MON ROI_QAsession photo 6トニー役のエマニュエル・ベルコさんは、フランス映画祭2016のオープニング作品『太陽のめざめ』の監督でもある。「この作品は二人をあて書きした」というマイウェン監督は、「美しく若い女性とばかりつきあっていたジョルジオの人生における変化を描くため、目を見張るような美人ではない人がよかった」と起用意図を説明。ベルコさんとジョルジオ役のヴァンサン・カッセルさんの印象について質問があがると、貴重な撮影秘話を明かしてくれた。「ベルコは台本を全部覚え、メモでいっぱいの分厚いノートを持って現場にやってきました。でも、自分にプレッシャーをかけ、自発性がなく、牢に閉じ込められたような演技になってしまった。監督として自分の演技を見ている部分があり、すべてコントロールしようとするのです。私は『自由にやって』というタイプなので、彼女がバランスを保とうとしているのを崩そうとしました。そんなベルコに対し、ヴァンサン・カッセルはとても軽やかに現場にやってくる。そして、ジョークばかり言ってせわしなく動き回っているのに、いったんカメラが回り始めると、すぐ役柄に入っていく。この作品を通して分かったのは、準備万端で臨む人と、猛獣のようだけど大切なところで一番良いものを差し出してくれる人、役者には少なくとも2つのメソッドがあるということ。今回の撮影はちょっとジャングルみたいな感じでしたね(笑)」。

『モン・ロワ(原題)』は2017年春、YEBISU GARDEN CINEMA、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて公開が決まっている。

(取材・文:新田理恵、撮影:白畑留美)

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