レポート

【レポート】6/25 『The Final Lesson(仮題)』

FFF Japon2016_La Derniere lecon_QA session photo 66月25日(土)、有楽町朝日ホールにて『The Final Lesson(仮題)』が上映された。パスカル・プザドゥー監督と、92歳で「尊厳死」を選ぼうとするマデリーンを演じたマルト・ヴィラロンガさんが上映後に登壇すると、会場は大きな拍手に包まれた。

本作は、尊厳死を選択した女性の実話を基に、マデリーンと家族の交流と葛藤を描いた作品。子供や孫がそれぞれの立場で、マデリーンの選択をどのように受け止め、「死」とどのように向き合うのか、心情の変化を繊細に描いている。

FFF Japon2016_La Derniere lecon_QA session photo 3司会を務める東京国際映画祭プログラミング・ディレクター矢田部吉彦さんが、制作のきっかけを問うと、プザドゥー監督は「実話が描かれている本を読んで、人生のベーシックなことが語られており、大変美しい物語だと思った。愛する人と共に時間を過ごすことにより、愛する人の選択を受け入れ、後悔しないように生きましょう、ということを伝えたいと思いました」と語った。ヴィラロンガさんは、モデルとなった女性は素晴らしいパーソナリティの持ち主だと思ったという。「彼女のみなぎる力強さを感じた。この役は、ぜひ私が演じたいと思いました」と、オファーされた時を振り返った。

FFF Japon2016_La Derniere lecon_QA session photo 4本作は、「死」をテーマにしているもののユーモアある場面も散りばめられ、上映中会場からは笑い声もあがった。観客からそのような構成にした意図について質問されると、「観客の皆さまが「死」という重大なテーマを消化できるようにお伝えしたかった。そのためには、「軽さ」も必要だと考えた。編集時も、そのことには大変気を使い、深刻になり過ぎないように心がけました」とプザドゥー監督。シリアスな面とユーモアのバランスが演技をするうえで難しかったのではないかと問われると、ヴィラロンガさんは「できるだけ役に溶け込み、深刻に考えすぎないようにした。わざと笑いを誘いにいったり、深刻そうに演じるのではなく、人生は笑うこともあれば、涙することもある。そのことを忘れないで、自然に演じることを心がけました」と答えた。

FFF Japon2016_La Derniere lecon_QA session photo 7最後に「この映画を皆さんにお届けできて嬉しい。死についてポジティブに考えてほしいです」とプザドゥー監督。ヴィラロンガさんは、「難しいテーマだが、それぞれの立場で、様々な意見があってよいと思う。この映画が、皆さんが話をするきっかけになってくれれば嬉しいです」と挨拶した。84歳とは思えないチャーミングなヴィラロンガさんは、去り際に観客へ投げキッス。会場は温かな拍手で見送った。

本作は、2016年中にシネスイッチ銀座ほかで全国順次公開を予定している。誰にでも訪れる「死」について、親しい人と考えるきっかけになる作品だ。

(取材・文:小嶋彩葉、撮影:白畑留美)

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