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レポート

【レポート】6/26オープニングセレモニー&『エール!』

2015.6.28

AMG_09706月26日(金)、有楽町朝日ホールでフランス映画祭2015が開幕した。オープニングセレモニーには、団長を務める女優エマニュエル・ドゥヴォスさんをはじめ、フランスを代表する監督・俳優陣ら総勢12名の豪華なゲストが集結。続くオープニング作品『エール!』(14)の上映後には、エリック・ラルティゴ監督と主演女優ルアンヌ・エメラさんによるトークショーが行われた。

AMG_0945オープニングセレモニーでは、主催者であるユニフランス・フィルムズのイザベル・ジョルダーノ代表が「この4日間、独自性あふれるフランス映画の数々を楽しんでください」と挨拶。「フランス映画ファンの皆様にお土産があります」とユニフランス・フィルムズの発注により、フィリップ・ラブロ監督が撮影した、若き日のカトリーヌ・ドヌーヴら4人の新進女優が出演したPR映像(1964年制作)をサプライズ上映し、観客を喜ばせた。続いて、大歓声の中を12名のゲストが登壇。団長のドゥヴォスさんは「こんばんは。東京に来られて嬉しいです。東京を思い切り楽しみたいです」と日本語で挨拶。「フランスの監督・俳優陣が我こそは行きたいと名乗りを上げるのが、この東京の映画祭。私達や皆様にとって良い映画祭になることを願います」と、来日の喜びを語ると会場からは一層大きな拍手が沸いた。

AMG_1007オープニング上映「エール!」は、本国で4週連続No.1に輝き、700万人以上を動員し驚異的大ヒットを記録した作品。フランスの田舎町で農家を営むベリエ家は、高校生の長女ポーラ以外、父も母も弟も聴覚障害者だが、オープンで明るく仲の良い家族。歌手になりたいという夢をもったポーラが、家族との葛藤や絆を確認する中で成長していく感動作だ。上映後のトークショーには、観客の大きな拍手に迎えられてラルティゴ監督とエメラさんが登壇した。

AMG_1026全編にわたって手話を使っての演技が求められる主人公ポーラに抜擢されたエメラさんは、本作で女優デビュー。「フランスのオーディション番組で歌っていた私を見て、監督が声をかけてくれた。手話を覚えるために4か月間のレッスンを受け、簡単ではなかったが苦にはならなかった。手話よりも演技の方が難しかったが、監督に助けられました」と自身の挑戦を振り返った。

AMG_1068ラルティゴ監督はカメラワークについて「手話は、ある意味ダンスの振り付けのようで、視覚的に見ていてとても動きが多い。俳優の手話を見て、観客の聴覚障害者が理解できるように撮影しなければならなかったので、切り替えしで撮ることもできない。手話をしている人がフレームの中に収まるように常に気を付けていました」と本作ならではの工夫についても語った。

AMG_1060続いて、「この会場に聴覚障害の方はいらっしゃいますか」とラルティゴ監督が呼びかけ客席から数名の手が挙がると、エメラさんが「フランスの手話は理解できましたか」と逆質問。男性客が立ち上がり、「全て理解できました。素晴らしい映画で涙が出ました。ブラボーです」と手話で返答すると、エメラさんとラルティゴ監督も手話で応じるなど、手話という共通言語を使った交流に会場は温かい拍手に包まれた。

AMG_1104ラルティゴ監督は「フランスの聴覚障害者コミュニティの皆さんに、本作を日本で上映してもある程度の意味は日本人聴覚障害者も理解できるだろうと言われた。たとえば健常者である私たちが日本語を覚えようとすると15年くらいかかってしまうのに比べ、聴覚障害者は手話という言語があるために、外国へ行ってもすぐにコミュニケーションをとることができる。これは本当に素晴らしいことだと思います」と話した。日本での上映は未定だが、本作は通常バージョン以外に聴覚障害をお持ちの方用バージョンもある、と監督。台詞字幕はもちろん、状況を説明する字幕が色を変えて表示されるという。

エメラさんの生歌を聞きたいと観客同士で話す声もあったようだが、トークショーは時間切れとなりラルティゴ監督の「アリガトウ」の日本語での挨拶で締めくくられた。本作は、2015年10月31日より新宿バルト9他で全国ロードショー予定。ポーラの胸に響く歌声と、ベリエ家の心温まる絆を劇場で見届けて欲しい。

(取材・文:小嶋彩葉、撮影:白畑留美)

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