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セバスチャン・サルガド / 地球へのラブレター

Le Sel de la terre

ドキュメンタリー

神の眼を持つ写真家の軌跡を名匠ヴェンダースが辿る映像叙事詩!

作品情報

ブラジルに生まれ、ユージン・スミス賞をはじめ数多くの賞を受賞、後進たちに計り知れない影響を与え続ける世界的な報道写真家であり、大自然の保全や復元に尽力する環境活動家としても知られるセバスチャン・サルガド。“神の眼”とも呼ばれる奇跡的な構図、モノクロを基調とし荘厳なまでに美しい作品の数々を彼はいかにして撮りつづけて来たのか?
『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』など、数々の傑作ドキュメンタリーを世に送り出してきたヴィム・ヴェンダース監督が、サルガドの長男、映画作家のジュリアーノ・リベイロ・サルガドの協力を得て、稀代の写真家であり、家族を愛する一人の男の波乱に満ちた足跡を解き明かしていく。本年度アカデミー賞最優秀長編ドキュメンタリー映画賞ノミネートをはじめ、各国の映画祭で絶賛された感動のドキュメント。

監督:ヴィム・ヴェンダース、ジュリアーノ・リベイロ・サルガド
出演:セバスチャン・サルガド
2014年/フランス・ブラジル・イタリア/110分/DCP/ビスタ/5.1ch
提供:RESPECT 配給:RESPECT×トランスフォーマー

2015年夏、Bunkamuraル・シネマ他にて全国ロードショー

受賞歴
2014年 カンヌ国際映画祭ある視点特別賞受賞、エキュメニカル審査員賞受賞
2014年 サンセバスチャン国際映画祭観客賞受賞
2015年 セザール賞ドキュメンタリー賞受賞
2015年 アカデミー賞®長編ドキュメンタリー映画賞ノミネート

© Sebastião Salgado © Donata Wenders © Sara Rangel © Juliano Ribeiro Salgado

監督・キャスト
監督プロフィール
監督: ヴィム・ヴェンダース

Wim WENDERS
『パリ、テキサス』(84)や『ベルリン・天使の詩』(87)等で知られる名匠。ドキュメンタリーにも傑作が多く、『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』(99)、『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』(11)に続き、本作で3度目のアカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞にノミネートされている。

© Donata Wenders 2012

監督: ジュリアーノ・リベイロ・サルガド

Juliano Ribeiro SALGADO
1974年、セバスチャン・サルガドの長男としてパリに生まれる。
1996年にアンゴラの対人地雷の使用を題材とした、最初のドキュメンタリー『Suzana』を製作。現在、初の劇場用映画をブラジルのサンパウロで準備中。

© Sebastião Salgado

出演者プロフィール
出演: セバスチャン・サルガド

Sebastião SALGADO
1944年、ブラジル生まれ。
60年代、軍事独裁に反対する闘争による迫害を逃れパリに渡り、29歳の時にフリーランスの写真家に転じる。アフリカの飢餓を撮った「SAHEL」や、近代化で消えていく肉体労働者を取材した「Workers」などの写真集や展覧会で世界各地の賞を多数受賞する世界的な報道写真家。

VIDEO
ニュース

【レポート】6/29『セバスチャン・サルガド/地球へのラブレター』

2015.06.30

AMG_2779Sフランス映画祭最終日の6月29日(月)、有楽町朝日ホールにて『セバスチャン・サルガド / 地球へのラブレター』(14)が上映され、平日の日中にも関わらず多くの観客が会場を埋めた。本作は、ブラジル出身の世界的な報道写真家であり、環境活動家としても知られるセバスチャン・サルガドの軌跡を名匠ヴィム・ヴェンダース監督がセバスチャンの長男であるジュリアーノ・リベイロ・サルガド監督と共に解き明かした感動のドキュメント。上映後のQ&Aには、ジュリアーノ監督が登壇し、本作誕生の裏話を語った。

IMG_0598Sまず、東京フィルメックス・プログラミングディレクターの市山尚三さんから紹介を受けたジュリアーノ監督は「セバスチャンが持っている楽観性とバランスのとれた世界、希望の持てる世界をみなさんに感じてもらい、分かち合えたなら嬉しいです」と挨拶した。

実は本作を撮影する前は、多くの父子が経験するように、決して親子の関係性が良好だとは言えず、父・セバスチャンについての映画を撮ることは考えられなかったとジュリアーノ監督。しかし、セバスチャンの取材旅行に同行したことをきっかけに様々な人と出会い、良い影響を受ける中で父子の関係も徐々に変化していったという。そして「40年間、世界を特別な視点で見てきた証人である父の世界を描こう」と思い至り、2011年よりヴェンダース監督と共に本格的な制作を始めた。

AMG_2818S父親の仕事をする様子を見てどう感じたか、という客席からの質問には「取材旅行中ではなく、ヴェンダース監督のアイディアと編集により私は父を見出すことになった」と回答。写真とセバスチャンの語りによって、40年間の変容を描くことはジュリアーノ監督の中で固まっていたそうだが、そこにヴェンダース監督の素晴らしいアイディアが化学反応をもたらした。「彼はセバスチャンをスタジオに座らせ、周りを黒い幕で囲んで孤立させ、何も見えない、何も聞こえない状態にした。目の前にマジックミラーを置き、裏にはカメラをセット。マジックミラーに映し出される写真を2枚、3枚と見ているうちに、セバスチャンはどんな人に出会い、どんな状況で撮った写真か自然と語りだしたんだ。」

AMG_2750Sその後、ヴェンダース監督が編集した映像を見て、初めて他人の目を通して父が語る姿を見たジュリアーノ監督は、セバスチャンがどのように苦しみ、精神的に成長していったのか理解できたという。そこからギクシャクしていた父子の関係は完全に変わり「友人」になることができた、と振り返った。

AMG_2713S最後に、ジュリアーノ監督から「何かをやろうと思っても、自分はどうせ何も役に立たないのではないか、と思うかもしれない。今、世界はネガティブなニュースで溢れているが、その中でもセバスチャンのように私達1人1人が少しでも行動を起こすことで、必ずポジティブな状況を作り出すことができると信じています」と、観客へメッセージが送られると、会場からは大きな拍手が沸いた。

IMG_0562S「神の眼」を持つと称されるセバスチャン・サルガドの写真は、私達が未だ知らない現実の世界へと誘う。本年度アカデミー賞最優秀長編ドキュメンタリー映画賞にもノミネートされた本作は、8月1日(土)から、Bunkamuraル・シネマ他にて全国ロードショー予定だ。

(取材・文:小嶋彩葉、撮影:白畑留美)

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