―1999年以来、25年ぶりに本作が上映される今のお気持ちをお聞かせください
とても感動しています。こうして映画祭でお観せすることができて、嬉しいです。小さな予算とチームで作った映画なんですが、俳優たちも私たちスタッフもすごくこう、心が結ばれていて。撮影時間もそんなになくて、4週間で作らなくちゃいけない映画で、すごく力を注いで作った作品なんですけど、その力を今でも感じますね。
―映画祭初日は、寒い中レッドカーペットを歩いていただきましたが、横浜の印象はいかがでしょうか。
横浜も成長し続けている街だと思います。私が初めて横浜に来た頃はなんだか子供のような街でしたが、今はもう、すごく大きな街になりましたね。
―初めてフランス映画を見る人にオススメの作品を教えてください。
フランス映画を、例えばアメリカや韓国や日本のアクションものを観る人たちや、ゲームばかりやってる人が観てくれるかどうかはわかりません。
私の大きな希望として、映画というのはとてもミステリーな秘密を抱えているものだと思うんです。夢のようなもので、その人生の時間を映画の中に見せてくれる。 なので、映画を観ている時間というのは、自分自身と見つめ合い、考えさせられる時間だと思います。ただ外へ、外へと人工的なものに投射していくのではなくて、 自分の中で人生を考える1つの手段だと思いますね。(スタッフの携帯に『PERFECT DAYS』のステッカーが貼られているのを見て)ヴィム・ヴェンダース監督の映画『PERFECT DAYS』なんてその典型的なものだと思います。
―最後にこの作品の公開を楽しみにしている観客の皆さんにメッセージをお願いします。
映画を観て失望しないで、この映画を好きになってくれればと思います。
そして、この映画の精神を理解してくれれば嬉しいです。
監督:クレール・ドゥニ
キャスト:ドニ・ラヴァン、ミシェル・シュボール、グレゴワール・コラン、リシャール・クルセ
© LA SEPT ARTE – TANAIS COM – SM FILMS – 1998