セバスチャン・ヴァニセック監督インタビュー
―今回、蜘蛛を題材に選んだ理由を教えてください。
 
みる人を怖がらせるためです!(笑)そして、なんでみんな危なくないのに蜘蛛を怖がるんだろうな、と思ったからです。また、映画の中には蜘蛛だけでなく感染を疑い”怖がる人たち”も出てくるんですね。そのように、人間を描くために蜘蛛を使った、と言ってもいいと思うんです。
タイトルの” Vermines”とは、”害虫”という意味なんですけれども、これは蜘蛛に対して言いますし、また、映画に登場するようなパリ郊外に住んでる人々に対して同じように扱う人がいる、という意味とかけたところがあります。
 
―横浜という場所の印象はいかがでしょうか。
 
日本についた日に、周辺をちょっと散歩したんですけれども、すごく大きな街だと思いました。海があって大きな街で、あと、東京とは全然違う印象を受けました。今回来ることができてとても嬉しく思っています。
日本という国は、世界に色々な影響を与える国だと思います。 フランスでも、自分自身もそうなんですけれども、日本文化にとても大きな影響を受けました。
アニメーションー宮崎駿監督だとか、あと漫画もそうなんですが、自分のアーティスティックな面でもとても大きな影響を受けました。だから日本は…”クール” だね!
 
―日本のファンにおすすめのフランス映画
 
…とても大切な質問ですね!”成熟”した映画というよりは―色々な映画があると思うんですけれども。もし1作だけお勧めするとすれば、クリストフ・ガンズ監督『ジェヴォーダンの獣』です。フランスのある地方を描いたモンスター映画です。『Vermines』を撮るにあたって、とても参考になった作品です。
 
―日本に来て楽しみにしていることはありますか?
 
実は昨日、渋谷に行って、色々なところを歩き回ってみたんです。今日もインタビューが終わったらまた歩き回ってみようと思っていますし、フランス映画祭が終わってからも、何日か日本に残って東京以外のところも行ってみたいと思っています。
楽しみにしていることは、日本食はもちろん、芸術的なところで言えば、例えば絵やデッサン、建築などにも興味があります。あとは、いわゆる”日本文化”。歴史にも興味があります。どう日本はどうやってこれだけ世界に影響を与える国になったのかということについても探ってみたいと思っています。
 
―最後に、公開を楽しみにしている日本のファンにメッセージをお願いします!
 
恐らくこれからご覧になる方の中には蜘蛛嫌いの方もいらっしゃるかと思いますが、大丈夫です…!問題ありません!(笑)これは、ホラー映画というよりも、「緊張感」を描いている映画だと思っています。自分自身、より完全な映画をつくろうと臨みました。色々なことが巻き起こり、ローラーコースターような場面もあります。観客の方々への愛もありますので、ぜひたくさん笑って、たくさん怖がって、ぜひこの映画を楽しんでほしいです。
 
 

Vermines (原題)』 Vermines

監督:セバスチャン・ヴァニセック
キャスト:テオ・クリスティーヌ、ソフィア・レサフル、ジェローム・ニール、リサ・ニャルコ
©2023 MY BOX FILMS - TANDEM