ヴァンサン・ラコストインタビュー
―『愛する時』で演じたフランソワはとても難しい役どころだと思いますが、演じてみていかがでしたか。
 
確かに、簡単な役ではありませんでした。
まず、身体を準備しなくてはならず、病的に痩せなければいけなかったし、
ポリオで足を引きずる役だったのでその動作を練習したりとビジュアル的にアイデンティティを作っていく必要がありました。また、フランソワは性格的にも控えめでやりたいことができないフラストレーションを抱えた役だったのに対して、自分自身はどちらかと言うと食べるのも好きで人生を楽しむタイプなので、ダイエットをして食べられないことがフラストレーションになり、役作りには役立ちました(笑)それから、アナイス・ドゥムースティエが素晴らしい俳優で、感情面で助けてくれました。
 
―2019年以来5年ぶりの来日となります。映画祭初日は、寒い中レッドカーペットを歩いていただきましたが、横浜の印象はいかがでしょうか。
 
横浜はすごく好きですね。大好きです。
フランス映画祭が開催されることもあり、とても特別だと思います。
映画祭初日にもたくさんの人が来てくださって、日本の方々にこうしてたくさんフランス映画を観ていただける映画祭が行われるのは素晴らしいことだと思います。フランス映画祭が開催できることはフランス映画の今後にとっても良いことだと思いますし、皆さんの感想もぜひ聞きたいです。
良い映画ばかり上映され、素敵な映画祭だと思います。
 
―この映画祭HPを見ている方は、フランス映画が大好きな人が多いのですが、おすすめのフランス映画を教えてください。
 
たくさん、たくさんあります(笑)
最近良かったのは『落下の解剖学』。アカデミー賞も取りましたし、それから『Atlantic Bar』というドキュメンタリーもすごくよかったです。
フランソワ・トリュフォー監督『柔らかい肌』、エリック・ロメール監督『緑の光線』などヌーベルヴァーグも好きです。あとシャンタル・アケルマン監督『ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地』と私も出演しているクリストフ・オノレ監督『ソーリー・エンジェル』、
『落下の解剖学』のジュスティーヌ・トリエ監督の初期の作品で『ソルフェリーノの戦い』も良いです。ジャック・オーディアール監督の『預言者』、カトリーヌ・ブレイヤ監督の『処女』も好きです。
 
―日本に来て楽しみにしていることや食べ物はありますか。
 
日本に来るのは3回目で、2回は映画祭、1回はバカンスでした。
日本食は大好きで、お寿司もうどんもラーメンもフランスでも食べています。食べることを楽しみにしていて、日本の朝ごはんが好きです。魚がついていて。生魚はフランスでは絶対に誰も食べないけど、好きです。
あと、あちこち歩き回るのも好きで、服も好きなのでヴィンテージ店やショッピングモールなどに行って、色々服を買いたいと思っています。
また、日本の文化や映画監督も好きですね。
 
―最後に映画祭に参加してくださった方々にメッセージをお願いします。
 
映画を観に来てくださりありがとうございます。フランスの映画に関心を持っていただき、こうして俳優として参加し、自分が出演している映画を観ていただくことができとても嬉しいです。
 
 

愛する時』 Le Temps d'aimer

監督:カテル・キレヴェレ
キャスト:アナイス・ドゥムースティエ、ヴァンサン・ラコスト
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