実施日:2024年3月20日(水・祝)19:00~
ゲスト:役所広司(特別アンバサダー)、ヴァンサン・ラコスト(オープニング作品『愛する時』主演)、ジュスタン・トーラン(『愛する時』プロデューサー)、カテル・キレヴェレ(『愛する時』監督 ※ビデオメッセージ)
開催場所:横浜ブルク13
レッドカーペットイベント終了後は、横浜ブルク13に会場を移してオープニングセレモニーを実施。万雷の拍手の中、舞台上に登壇した役所が「ついさっき、桜木町駅前で開幕のコールをしてきました。今回、わたしも特別アンバサダーという役を仰せつかりまして。なんとかこの映画祭を成功させたいなと思いました。さて、これからのフランス映画界を背負って立つ、すばらしいフランスの俳優さんを紹介します。ヴァンサンさんです!」という呼び込みとともにヴァンサンが登場。そこで舞台は、役所からヴァンサンにバトンタッチとなり、ここからはオープニング作品となる『愛する時』の舞台あいさつが行われることとなった。
大勢の観客で埋まった客席を前にし、「皆さまこんばんは、日本に来られてうれしいです。わたしは今回、3回目の来日となるんですが、日本の文化も食事も大好きです。今晩は『愛する時』という映画と一緒にやってきました。カテル・キレヴェレという監督の映画なんですが、カップルと秘密についての映画です。日本の皆さまに観ていただけること、うれしく思います」とあいさつ。
そしてプロデューサーのトーランも「きょう ここにこれて、とてもうれしいです」と日本語であいさつすると、「この映画を日本で上映できてうれしく思います。とてもロマンのある作品なので、気に入ってもらえるとうれしいです」と呼びかけた。
そしてこの日のレッドカーペットイベントを振り返り、「とてもすてきなレッドカーペットでした。たくさんの方に来ていただけて、わたしたちフランス映画界にとっても横浜は大事な場所なんだなと思いました」と語ったヴァンサンは、「役所広司さんと一緒にレッドカーペットに登場するのは知らなかったので、とても緊張していました。しかしとても好きな俳優で、彼の映画もたくさん観てきたので、一緒に歩くことができてうれしかったです」と笑顔を見せた。
また今回3回目の来日になったというヴァンサンが「これまで東京や京都、奈良に行ったことがあります。奈良では鹿にビスケットをあげたこともあります。日本人の方々は心地よく迎えてくれて本当にうれしいです。今回は日本に来てからまだ何もできていないですが、時間があったらいろんなところを歩いてまわりたい」と語ると、トーランも「わたしも何回か日本に来ていますけど、本当に不思議な国だと思います。実はうちの妻が日本育ちなので、妻を通じて日本には特別な思いがあるんです。両親を連れてきたこともありますし、日本の自然も崇高で、毎回感動します」と日本への思いを語るひと幕も。
またこの映画について「わたしが演じる人物はとても複雑で、いろんなものを持っている人。とてもロマンのある作品で、大きな感動を呼ぶ作品です。観ていただくと分かると思いますが、いろんな人物が出てきて、カップル、欲、人生についての映画でもあって。この役をやりたいと思いましたし、観るといろんな疑問が湧く映画でもあると思います」と語ったヴァンサン。トーランも「実はキレヴェレとは長い付き合いで、彼女の長編第1作からずっと一緒に映画をつくってきました。そしてこの作品なんですが、キレヴェレ監督の私的な家族の話なんです。実話から始まり、それから次第に物語はフィクションになっていくわけですが、この話自体は長い間、彼女から聞いていました」と明かした。
そしてこの日は参加がかなわなかったキレヴェレ監督からのビデオメッセージも上映。「この映画がフランス映画祭のオープニングを飾ることができてうれしく思います。前作でこの映画祭に参加し、初めて日本に訪れたのは最高の経験でした。今日はここにいらっしゃる、フランスを愛するお客さまに思いをはせています」と語るキレヴェレ監督は、「これは愛についての映画であり、寛容さと差異についての映画でもあります。皆さんに伝わればいいなと思っております。そしてヴァンサンに感謝しています。すばらしい仕事をしてくれました。そして横浜に行ってくれてありがとう。キスを贈るわ!それから映画祭に参加する監督たちに。わたしも一緒に行きたかった!上映おめでとう!日本を楽しんでください」とメッセージを送った。
そのメッセージを聞いたヴァンサンは「監督から僕の話が出てきてうれしかった」と笑いながらも、「わたしたちがとても大切にしている映画です。映画というのはお客さまに観ていただいてなんぼだと思います。文化の違う日本の皆さんに観ていただく機会ができて、ここまで来られたということは本当にうれしいことです」とあらためて会場に感謝の思いを伝えた。