森の奥深く、父との孤独な暮らし。
そこから飛び出し、初めて触れる街の生活で、少年が探し求め、そして見つけたものとは―
アヌシー国際アニメーション映画祭でワールド・プレミア上映され、絶賛を受けた作品。主人公は、人間界との交わりを絶って森の奥深くで暮らす父親に育てられた少年。動物と人間が融合した不思議な精霊たちに見守られ、少年は森の中で自由な生活を送っていた。だが、父親が足を大怪我した時、少年に大きな転機が訪れる。父親を病院に運ぶために山の麓の村を訪れた少年は、怪我が治るまでの間、これまで経験したことのない文明社会で暮らすことになる。見知らぬ世界で戸惑い、何かと周囲と諍いを起こす少年を唯一理解してくれたのは村の医師の娘マノンだった。やがて少年が山に戻る日が近づくが、それは同時に、これまで聞かされていなかった両親の隠された過去を知る時であった......。幻想的な自然界と現実的な社会の見事な対比の中、少年の成長が印象派絵画を思わせる美しい色彩の中で展開され、見る者に爽やかな感動を残す。監督はこれが長編デビューとなり、今後の活躍が期待されるジャン=クリストフ・デッサン。名優ジャン・レノが父親の声を、2010年に惜しくも亡くなったヌーヴェルヴァーグの巨匠クロード・シャブロルが村の医師の声を担当している。
映画情報
邦題:森に生きる少年 ~カラスの日~
原題:Le Jour des Corneilles
監督:ジャン=クリストフ・デッサン
原作:ジャン=フランソワ・ボーシュマン
声の出演:ジャン・レノ、ローラン・ドゥーチェ、イザベル・カレ、クロード・シャブロル、シャンタル・ヌーヴィルト
2012年/フランス/90分/シネマスコープ
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