世界の映画祭で特集上映が組まれ、常に"愛"について追求を続けるフィリップ・グランドリューと足立正生によるコラボレーション作品。
政治的な前衛映画監督たちを被写体にしたドキュメンタリー・シリーズの第一弾となる本作は、1960年代に鮮烈な映画を次々と世に生み出し、若手芸術家の筆頭として注目されるも、やがて革命に身を投じた足立正生のポートレートである。フィリップ・グランドリュー監督が2008年に初来日した際に足立正生と対面し、意気投合したことが本作製作のきっかけになった。本シリーズは、かつてフランスで放送されていたアンドレ・S・ラバルトとジャニーヌ・バザンによる伝説的なTVドキュメンタリー『われらの時代のシネアストたち』へのオマージュでもある。タイトルの「Il se peut que la beauté ait renforcé notre résolution」は、2006年に足立正生が35年ぶりに監督した『幽閉者 テロリスト』の中で、テロリストである主人公Mが軍事訓練で見た美しい高原について「その美しさのせいで俺たちの決断も一段と強まったのかもしれない。なにもかもが、戦いに向かうには、静かで美しすぎる風景だった」と語るセリフから取られている。
映画情報
邦題:美が私たちの決断をいっそう強めたのだろう / 足立正生
原題:Il se peut que la beauté ait renforcé notre résolution / Masao Adachi
監督:フィリップ・グランドリュー
出演:足立正生、小野沢稔彦
2011年/フランス/74分/HD/16:9/カラー、モノクロ/ステレオ
配給:アップリンク
2012年夏、アップリンクにて公開
©2011 EPILEPTIC FILM
<受賞歴>
2011年コペンハーゲン・ドキュメンタリー国際映画祭ニュー・ビジョン賞受賞