他人の味【ムッシュ・カステラの恋】

会社社長の中年男の純情な恋を描くユーモラスなラヴ・ストーリー

ムッシュ・カステラ(ジャン=ピエール・バクリ)は中堅会社の社長。仕事には熱意がなく、常に行動を共にしているボディガードのフランク(ジェラール・ランヴァン)や運転手のブリュノ(アラン・シャバ)も目障りで、妻のアンジェリック(クリスティアーヌ・ミレ)は自分よりも飼い犬に愛情を注いでいる始末という、冴えない日常を送っていた。しかしある夜、付き合いで観に行った芝居の主演女優が、その日の昼間に追い返した英語教師のクララ(アンヌ・アルヴァロ)であることに気づいたカステラは、彼女に恋してしまう。かくして英語のレッスンにも熱心に通い、古典劇の芝居を観たり本を読んだり、趣味趣向の違うクララになんとか近づこうとするカステラ。でも相手にしてもらえない。だがカステラは、クララの周りにいる芸術家たちと交流していくうちに芸術の楽しみ方を覚え、彼女の友人の画家が開いた個展で抽象画を買ったのをきっかけに、彼のスポンサーを名乗り出た。クララは彼の行為を自分の気をひくためだと解釈するが、カステラが本当に絵を気に入ったのだと知って動揺する。そしてクララが主役を務めるイプセン作の芝居の初日。演技が終わり舞台であいさつしている時、クララは客席にカステラの姿を探す。そして拍手している彼の姿を見つけた時、とびきりの笑顔を見せるのだった。


映画情報

邦題:他人の味【ムッシュ・カステラの恋】
原題:Le Gout Des Autres

監督:アニエス・ジャウィ
出演:アンヌ・アルヴァロ、ジャン=ピエール・バクリ、ブリジット・カティヨン、アラン・シャバ

2000年製作/112分/フランス
配給:セテラ
2001年12月22日公開

★第26回セザール賞 作品賞受賞
★第24回モントリオール世界映画祭 最優秀作品賞受賞