フランス映画祭開幕
フランス映画人が3年ぶりに横浜に大集結!
フェスティバル・ミューズ石田ゆり子がロマン・デュリスと共に開会宣言!
「皆さんと一緒にいられて、本当にしあわせ」

 
【日時】12月1日(木)
【会場】横浜みなとみらいホール
 
映画祭のオープニングは、映画音楽作曲家でシンガー・ソングライターの世武裕子さんによるピアノ演奏で幕開け。『軽蔑』『愛人/ラマン』『アメリ』『ぼくの伯父さん』といった名作の数々を披露し、会場を一気に映画の世界へと導きました。さらにその流れで世武さんのオリジナル作品となる「みらいのこども」を歌唱付きで演奏。その間奏では『ロシュフォールの恋人たち』のメロディーを挟み込むなど、映画好きにはたまらない空間に。会場の観客もその音色にじっくりと耳を傾けていました。そして演奏を終えた世武さんはこの日の選曲について「今日はフランス映画が大好きな方が集まってくださっていると思いますが、フランス映画のこれまでの歴史の中でも名曲は多いので、その中からちょっと。それと今回、みなとみらいホールが会場なので、横浜の未来に向けて自分の曲をチョイスしました。この曲をこうして皆さんと分かち合えてうれしく思います」と笑顔を見せました。
 
第30回という節目を迎えた今年のフランス映画祭。コロナ禍のため、フランスからゲストが来場するのは3年ぶりということで、大勢の観客で埋まった会場内。まずは開会に先がけてユニフランス代表のダニエラ・エルストナーが挨拶。「大きくて美しいみなとみらいホールで、皆さまと再びお会いでき、感動しております」と切り出したエルストナーは、「フランス映画祭は、日本とフランスの交流の場です。この映画祭は、作品を通して過去と現在のフランスの姿を映し出します。そこには常に映画監督の視点があります。彼らの巧みな演出で衝撃を受けたり、感動したり、喜びを味わうこともできます。映画祭の成功を祈りつつ、わたしの映画への愛を語りたいと思います。(日本語で)映画バンザイ!」と会場に呼びかけました。
 
さらに山中竹春横浜市長が「ようこそ、横浜へ。今年は記念すべき30回目となるフランス映画祭、フェスティバルミューズに石田ゆり子さんをお迎えして開催いたしますこと、横浜市長として大変光栄に、うれしく思っています。わたしもこの映画祭を楽しみにしておりました。どうぞ皆さま、心ゆくまでご堪能ください」と続けると、
 
フィリップ・セトン駐日フランス大使が「今回、30回目となるフランス映画祭に伺うことができてうれしく思います。日仏間の文化事業において、このイベントは最も大きなものとなっております。同時に日仏間の交流において、横浜が占める位置が大きいことを皆さんもご理解いただけているのではないかと思っております。12月というのはフランス月間で、ちょうど同じ時期に多くの催し物が行われているからです。フランス映画祭が30回目を数えたというのも、日本の皆さんが変わらずに愛してくださったことの証明だと思います」と付け加えました。
 
そして日産自動車株式会社の田川丈二専務執行役員チーフサステナビリティオフィサーが「ここ横浜は日産自動車発祥の地であり、このホームタウンでフランス映画祭が開催されますこと、心よりうれしく思っております」と祝福のコメントを寄せました。
 
そんな中、フランス映画祭代表団を迎えるべく、フェスティバル・ミューズの石田ゆり子さんが来場。「皆さんこんばんは。下手くそですが、フランス語のあいさつを用意してきたので、これからフランス語でごあいさつしたいと思います。間違えてたら許してくださいね」と前置きしつつ、フランス語で「紳士、淑女の皆さま。横浜の皆さん、そしてフランスの皆さん、こんばんは。フランス映画祭、30周年おめでとうございます。わたしにとってフランスは、世界のどこよりも感銘を受ける国です。ですので、こうして皆さんとこうして一緒にいられて本当にしあわせです。フランスから来てくださった皆さま、本当にありがとうございました。日本での日々を堪能してください。ありがとうございました」とあいさつすると、壇上の代表団、そして観客からは万雷の拍手が。その様子に石田さんも安どの表情を見せました。
フランス映画祭開幕
 
その後はオープニング作品『EIFFEL(原題)』主演のロマン・デュリス、マルタン・ブルブロン監督、そして石田ゆり子さんによる開会宣言が。そこではデュリスが覚えたという「腹減った」「じゃまた!」という日本語を披露し、会場を沸かせつつも、3人がそれぞれに「これから映画祭の開幕を宣言します!」と高らかにうたいあげ、映画祭は華々しく幕を開けました。
フランス映画祭開幕
 
その後はオープニング作品となる『EIFFEL(原題)』を上映。本作の主人公エッフェルについて「エッフェルは何も恐れない人。だからこそ、エッフェル塔を建てるという果てしない夢さえも実現してしまうわけですが。この映画が好きだなと思うところは、彼はとても合理的で天才的な人物なんですが、好きな女性の前では弱いところを見せてしまう。そうした合理的な部分と弱い部分が魅力的でしたね」とデュリスが語ると、ブルブロン監督も「この企画は数年前から温めてきたもの。エッフェル塔という誰もが知るモニュメントについて語るという野心を持ちました。そうしたスペクタクル性の高い題材に、彼の人間性という両方を組み合わせて語ることに興味をそそられたんです。気に入ってくださったらうれしいです」と観客にメッセージを送りました。

 
その後、パシフィコ横浜 国際交流ゾーン プラザ広場に場所を移し、オープニング作品『EIFFEL(原題)』のドライブインシアターも合わせて実施。こちらは電気自動車(EV)でご来場いただける方を対象にした、日本でもっとも環境に優しいドライブインシアターとなりました。
 
会場には電気自動車(EV)に乗ったお客さまが多数来場。そんな中、フェスティバルミューズの石田ゆり子さん、『EIFFEL(原題)』のロマン・デュリス、マルタン・ブルブロン監督がレッドカーペットに登場すると、観客は拍手の代わりにハザードランプをチカチカさせながら、ゲストを出迎えました。
フランス映画祭開幕
 
日産自動車株式会社の田川丈二専務執行役員チーフサステナビリティオフィサーは、電気自動車(EV)が多数集まった会場の様子に「今日はこんなにたくさんのEVが来てくださって。カーボンニュートラルを進める日産としてはうれしい限りです。いつもの劇場ではなく、ぜひ車の中のプライベート空間でフランス映画を楽しんでいただければ」とメッセージ。
 
石田さんも「わたしもはじめてこのような経験をして、ビックリしています。今の時代ならではの、すてきな発明だなと思います、わたしも車から映画を観たいです」と笑顔。
 
さらにユニフランスのエルストナー代表が「ハザードランプで迎えていただいて感動しました」と語ると、デュリスも「本当に日本に来られること自体が僕にとっては夢のようで…。フランス映画に興味を持ってくださる皆さんにお会いできること、しかもそれが車の中から観るなんて、夢のような、マジカルな気分。さっき、監督と一緒に驚いていました」とコメント。さらにブルブロン監督も「日本は本当に大好きな国なので、来られてしあわせに思っています。また次回もここに来られるよう願っています」と晴れやかな顔を見せました。
 
そして司会者から「いつか二人とのお仕事もあるかもしれないですね」と誘い水を向けられた石田さんは、「そんなそんな」と謙そんしつつも、「わたしは本当にフランスが大好きで。フランスの文化、歴史、芸術、本当にすべて大好きなので、今日、こうして皆さんにお会いできるだけで夢のようなんです」とコメント。さらに「何かありましたらよろしくお願いします」と照れくさそうに呼びかけると、ブルブロン監督も「僕もそう願っています」と笑顔を見せました。その様子に、ハザードランプで拍手を送る観客の皆さん。
 
そんな大盛り上がりのイベントもいよいよ終了の時刻に。デュリスさんは日本語で「じゃまた!」と会場を後にしました。