ラインナップ発表記者会見
本日、フランス大使館にて、12/10(木)~12/13(日)に横浜で開催の「フランス映画祭2020 横浜」ラインアップ発表記者会見を行いました。当初は6月に開催を予定するも、新型コロナウイルス感染拡大の影響により延期となり、一時は開催も危ぶまれましたが、この度安全に開催できる環境が整い無事開催の運びとなりました。会場である大使館公邸への入場人数を大幅に制限し、スタッフはフェイスシールドを着用するなど厳戒態勢で執り行われた記者会見。映画祭のラインアップ発表や見どころの紹介に加え、日仏の映画人からの応援コメントの紹介などがありました。下記にご報告いたします。世界中が大変な状況ではございますが、安心してフランス映画祭を開催できるよう、準備を進めております。


【日時】
10月15日(木)11:00~12:00 
【会場】
フランス大使館 大使公邸
【登壇者】
米倉涼子(フェスティバル・ミューズ/45)、林文子(横浜市長/74)、
田川丈二(日産自動車株式会社 専務執行役員 チーフサステナビリティオフィサー/60)、
ジャン=バティスト・ルセック(在日フランス大使館 臨時代理大使)
【コメント映像】
セルジュ・トゥビアナ(ユニフランス会長)ダニエラ・エルストナー(ユニフランス代表)
河瀬直美(映画監督)、黒沢清(映画監督)、是枝裕和(映画監督)、諏訪敦彦(映画監督)
MC:矢田部吉彦

ルセック臨時代理大使:
本日はフランス映画祭2020 横浜の記者会見に際し、皆様をフランス大使公邸にご招待できたことを大変嬉しく思います。映画祭を実際に行うためには開催する全てのパートナーの強固な意志が必要です。強力なパートナーシップを持って、2021年からもより良い環境下で開催ができることを願っています。映画祭の開催が世界中における映画産業の復活を体現することを期待しています。

林市長:
大変な情熱で一同の力が集まって12月に開催の運びとなりました。一昨年より再び横浜でフランス映画祭を開催するようになり、3回目となります。コロナ禍で開催が大変危ぶまれました。フランスと日本の熱い想いが一緒になって、今日の発表となりました。私ども横浜市としては安心して映画祭を楽しんでいただけるように準備を進めてまいりました。どうかご安心して足をお運びいただきたいと思います。先日は横浜トリエンナーレを開催し予定以上の多くの方にご来場いただきました。コロナ禍において、豊かな生活を送るためには、文化・芸術・エンターテインメントがなくてはならないんだと思い知りました。フランス映画祭が今年も開催されることは本当に素敵なことで、フランスと日本の皆さんの友情の証ではないかと思います。

米倉:
“ Bonjour, mesdames et messieurs, je m‘appelle Ryoko YONEKURA. Je suis très honorée d’avoir été choisie pour  être la Muse du Festival du film francais 2020.” (皆様こんにちは。米倉涼子です。2020年のフランス映画祭のフェスティバル・ミューズに選ばれて非常に光栄です。 )
このフランス映画祭が私の故郷でもある横浜で開催されることをとても嬉しく思っています。このコロナ禍の中でフランスからゲストの皆さんが来場できない状況下ではありますが、その分、私がこのフランス映画祭と横浜を盛り上げていきたいと思っております。皆様のご来場をお待ちしております。

MCより質問:
米倉さんが好きなタイプの映画は?

米倉:
『レオン』や『グラン・ブルー』となど、リュック・ベッソン監督の映画がすごく好きです。映画『タクシー』の時にフランス大使館でリュック・ベッソン監督とお会いしたことがあり懐かしい想いでいっぱいです。監督の選ぶ女性像がとても好きで。また(お会いできる)機会はいつかあるのかな、と思ったりしています。このフランス映画祭を機にたくさんのフランス映画を観られたらと思っています。

MCより質問:
横浜という街に対する思い出やイメージは?

米倉:
高校生くらいになって、みなとみらいが拓けてきたんですね。横浜がちょうど開発がすごく進んできた頃がちょうど私の青春であって、ベイブリッジも含め土地の変化が懐かしいです。

田川専務執行役員:
日産は1933年に横浜で創業以来、グローバルに事業を展開して参りました。中でもフランスはもっとも身近で大切な国の一つです。大変な状況下であっても、文化の火は絶やさない、という熱い思いを持って取り組まれている皆様に深く敬意を表します。コロナ禍における新しい楽しみ方として、今年発売10周年を迎える日産リーフによるドライブインシアターが検討されています。逆境をチャンスに変え、新たな価値を生み出そうという皆様の熱意に深く共感するとともにSDGs未来都市横浜にふさわしいこれまでにないチャレンジが行われることに、大いに期待しています。

フランスから届いたコメント映像を上映

トゥビアナ会長:
2020年は世界的な病災により、従来とは別の対応が必要な年でした。この非常時が始まった時から横浜市、日産、フランス大使館の皆様と意見を交換し、共に熟考してまいりました。皆様のご支援と熱意により映画祭が開催できることとなりました。日本でフランス映画が上映されるには映画業界人、配給会社、劇場、文化関連施設の支援が不可欠です。この非常時の中、皆様のご支援に感謝します。皆様のおかげで、仏映画と日本の皆様との素晴らしい交流を実現できます。フランスの大女優イザベル・ユペールが今年のフランス代表を引き受けてくれました。彼女は、映画祭で上映されるコメディ映画「ゴッドマザー」にも出演しており、コメディエンヌぶりを発揮しております。

エルストナー代表:
会長と同じく、皆様に感謝いたします。また、今年の映画祭の開催を嬉しく思います。 今年は、日本の配給の皆様と共にフランス映画の多様性を映し出す10作品を上映いたします。面白く、感動的で、愛に溢れる作品をご覧いただくことを楽しみにしています。今年は映画館の上映に加えドライブイン・シアターも予定しています。 フランス映画祭横浜は12月10日から13日まで横浜で開催されます。皆様のお越しをお待ちしております。

音声メッセージ(撮影中のイタリアより)

イザベル・ユペール :
世界中を襲っているコロナ危機の中、皆さんがお元気であることを願います。私たちが今、困難で不確実な時代にあるからこそ、私たちは連帯と相互扶助を示し、常にも増して、私たちをつなぐ絆、何よりも、私たちが分かち持っている映画への愛を発展させなければなりません。私は今回のフランス映画祭2020横浜にフランス代表に就任することを受諾しました。
この映画祭は2020年12月に開催されますが、新型コロナのために、ゲストの代表団の来日はありません。代表という役割もいわば「ヴァーチャル」な役で、それができることを嬉しく思います。映画の「リアル」な役とは異なる役ですから。

会見中にはフランスとゆかりのある日本を代表する4人の監督からの応援コメントも上映。

河瀬直美:
フランスは私にとって身近な場であり、いつも映画というものを刺激的にとどけてくれる存在です。コロナ禍の中、映画祭を開催するには多くの決断が必要だったと思います。大成功を祈っています。
黒沢清:
フランス映画とは一体何か、僕にとってなんなのか、言葉で簡単に表現することはできません。それは映画の全てである、といっていいでしょう。フランス映画祭がこれからも末長く続くことを祈っております。
是枝裕和:
このコロナの状況で映画祭を開催するというのは本当に大変な努力の結果だと思います。なんとかこのコロナ禍を超えて映画と映画祭と映画ファンの皆さんと新しい関係が結ばれることを願っております。
諏訪敦彦:
多くの映画祭が中止となり、日本でも一時全ての映画館が閉鎖するなど、困難な状況になりました。
これほど世界とのつながりを必要としているときはありません。フランスと日本の映画の友情がこれからも発展していくことを願っています。

質疑応答

質問:
フランス映画といえば愛・情熱というイメージなのですが、フランス映画から学んだ愛はありますか。
米倉:
フランス映画っていうと確かに愛っていうイメージはありますし、私の中ではシュールっていうイメージなんですね。気性の荒い私にはあまり通じることはないかもしれませんが、フランス映画にそぐうような恋愛ができるよう、見習っていきたいなと思っています。(笑)
横浜市長:
フランス映画に出てくる主人公と米倉さんはピッタリだと思います。すごく自立してらっしゃるし。
米倉:
自立には自信があります(笑)フランスの女性ってアジアの方達よりは強いってイメージありますよね。
横浜市長:
すごくチャーミングだし、女性的ですし。自立した女性として、頼もしく米倉さんのことを見ております。

 

フランス映画祭 2020 横浜 ラインアップ発表記者会見 動画配信

<開催概要>

■名称:フランス映画祭2020 横浜 Festival du film français au Japon 2020
■期間:12月10日(木)~12月13日(日)
■会場:みなとみらい地区中心に開催
■主催:ユニフランス
■共催:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本、横浜市 
■特別協賛:日産自動車株式会社
■公式HP:https://www.unifrance.jp/festival/2020/

■フランス映画祭とは
1993年、当時のユニフランス会長で映画プロデューサーのダニエル・トスカン・デュ・プランティエにより横浜で誕生。2006年に会場を東京に移し、2011年より2016年まで、有楽町朝日ホール及びTOHOシネマズ日劇で開催。2012年からは、アンスティチュ・フランセ日本の協力により、地方での開催を実施。各地の映画ファンにも喜ばれるイベントとなった。フランス映画祭を通し、日本国内におけるフランス映画全体の活況を図ること、フランス映画を配給する各社の助けとなること、また、まだ買付のついてないフランス映画、新進の監督や俳優に日本で紹介される機会を作ることがその狙い。加えて、来日するゲストによるマスタークラスを実施し、日本の未来の映画の作り手との繋がりも重要視されている。

第25回という節目である2017年には、フランスを代表する女優のカトリーヌ・ドヌーヴが団長として来日。フランスでも人気の高い北野武監督が親善大使を務めた。2018年に13年ぶりに横浜へ場所を移し、昨年には不朽の名作『男と女』の53年後を描いた『男と女 人生最良の日々』を携えて名匠クロード・ルルーシュ監督が団長として来日。フェスティバル・ミューズに中谷美紀さんが就任し、華やかに開催された。

<主催・ユニフランスからご挨拶>

セルジュ・トゥビアナ 会長
ダニエラ・エルストナー 代表

セルジュ・トゥビアナ 会長、ダニエラ・エルストナー 代表2020年は、過去稀に見る病災の年となり、通常とは異なる対応、我々の適応能力、再構築能力が試される年となりました。横浜で開催されるフランス映画祭は、私たちにとって、一年の内で最も重要なイベントの一つです。この非常時が始まった時から、私たちは、フランスと日本の文化交流においてとても大切なこのイベントを開催するために、安全面の対策や代替可能な方策について、パートナーである横浜市、日産自動車様、駐日フランス大使館の皆様と検討を重ね、意見を交換してきました。
日本はフランス映画を愛してくれています。日本でフランス映画が上映されるには、情熱のある配給会社や劇場が不可欠です。彼らの絶え間ない努力に感謝いたします。また、今年の映画祭を盛り上げてくださる、フェスティバル・ミューズである米倉涼子さんの多大なご協力にも感謝いたします。

映画は大画面で見るものです。私たちのスタッフは、日本のパートナーの皆様と協力し、12月10日から13日、横浜にてフランス映画の世界にご案内いたします。今年は新しく、映画館だけでなく、ご自身の車でもご覧いただけるドライブイン・シアターもご用意致します。

<登壇者>

林文子 横浜市長

林文子 横浜市長1946年東京都生まれ。東京都立青山高等学校卒業。
東洋レーヨン㈱(現東レ)、松下電器産業㈱(現パナソニック)等勤務の後、1977年ホンダの販売店に入社。1987年BMW㈱東京事業部(現BMW東京)入社。その後、ファーレン東京㈱(現フォルクスワーゲンジャパン販売株式会社)代表取締役社長、BMW東京㈱代表取締役社長、㈱ダイエー
代表取締役会長 兼 CEO、日産自動車㈱ 執行役員等を歴任。
ウォールストリートジャーナル紙「注目すべき世界の女性経営者50人」(2004年)、米フォーブス誌「世界のパワフルウーマン100」(05、06年)、米フォーチュン誌「ビジネス界最強の女性50人(国際部門)」(05、06年)、在日米国商工会議所(ACCJ)「パーソン・オブ・ザ・イヤー」(14年)、ユーラシア女性フォーラム(ロシア連邦議会主催)「パブリック・リコグニション・アウォード」(18年)等に選ばれる。
2009年8月、横浜市長に就任、2017年8月より3期目。
現在、指定都市市長会会長、全国クルーズ活性化会議会長等を務める。
主な著書に『失礼ながら、その売り方ではモノは売れません』(亜紀書房)、『会いたい人に会いに行きなさい』(講談社)、『共感する力』(ワニブックス)、『しなやかな仕事術』(PHP新書)、『部下を「お客さま」だと思えば9割の仕事はうまくいく』(KADOKAWA 中経出版)、『ちょっとした“気配り”で仕事も人間関係もラクになる!』(秀和システム)。

ジャン=バティスト・ルセック
在日フランス大使館 臨時代理大使

ジャン=バティスト・ルセック1994:外務省 入省(本省勤務)
1994-1996:文化・科学技術関係局 勤務
1996-1999:アジア・オセアニア局 勤務
1999-2002:在日フランス大使館 一等書記官(東京)
1999-2000:外交官派遣プログラムにて日本国外務省 勤務
2002-2004:内務省出向 フランス アリエ県副知事、知事官房長
2004-2007:在カナダ フランス大使館 経済部次長
2007-2008:在外国有財産・管理課長
2008-2011:財務・金融局 予算・財政支出課長
2011-2012:アフガニスタン カピサ州復興チーム 外交補佐官、文民上級代表
2013:アジア・オセアニア局 極東課
2013-2017:地球規模課題・文化・教育・国際開発総局 計画・運用担当副局長、後に担当代表
2017〜: 在日フランス大使館 公使

田川 丈二 日産自動車株式会社 専務執行役員 チーフサステナビリティ オフィサー

田川 丈二1960年7月生まれ
1983.3:慶應義塾大学経済学部卒業
1983.4:日産自動車株式会社 入社
1998.7:同社 財務部 主担
2000.9:北米日産会社 出向管理職
2005.4:日産自動車株式会社 グローバル広報・CSR・IR本部 IR部 部長
2006.4:同社 執行役員(財務部、IR部担当)
2010.4:同社 執行役員(IR部、M&A支援部担当)
2014.4:同社 常務執行役員(IR部、M&A支援部担当)
2019.4:同社 常務執行役員 (IR部担当)
2019.12:同社 専務執行役員、チーフ サステナビリティ オフィサー(グローバル渉外、環境/CSR、IPプロモーション、
コーポレートマネジメントオフィス、取締役会室、コーポレートサービス、IR部担当)
2020.4:同社 専務執行役員、チーフ サステナビリティ オフィサー(現職)(グローバル渉外、環境/CSR、IPプロモーション、コーポレートサービス、IR部担当)

<フェスティバル・ミューズ>

米倉涼子

米倉涼子1975年8月1日生まれ
1992年開催の『第6回 全日本国民的美少女コンテスト』で、審査員特別賞を受賞して芸能界入り。
モデルとして活躍後、1999年に女優デビュー。
『松本清張・黒革の手帖』、『交渉人~THE NEGOTIATOR~』、『ドクターX 外科医・大門未知子~』など様々な作品で主演を務める。2012年、ブロードウェイミュージカル『CHICAGO』に主人公ロキシー・ハート役で出演し、17年、19年に再演を果たす。

<本年度映画祭 フランス代表>

イザベル・ユペール

イザベル・ユペール1953年3月16日パリ生まれ。
クロード・シャブロル 、ブノワ・ジャコ、ミヒャエル・ハネケ監督らの映画の常連で、アート系から商業映画まで、幅広いジャンルの映画で絶大な存在感を放つ。
フランスで最も出演作の多い女優の一人であり、国際的にも精力的に活躍。マイケル・チミノ監督、ハル・ハートリー監督、デヴィッド・O・ラッセル監督、ホン・サンス監督、ブリランテ・メンドーサ監督、リティ・パニュ監督等らと一緒に、アメリカ、イタリア、中央ヨーロッパやアジアの作品にも多数出演。国際的な賞も数多く獲得。カンヌ映画祭で二度(『Violette Nozière』、『ピアニスト』)、ヴェネチア国際映画祭で二度(『主婦マリーがしたこと』、『沈黙の女/ロウフィールド館の惨劇』)それぞれで女優賞、またベルリン国際映画祭で出演作『8人の女たち』で銀熊賞を受賞している。また、フランスでは、セザール賞に史上最多の16回ノミネートされている。ポール・バーホーベン監督の『エル ELLE』では、ゴールデン・グローブ賞を主演女優賞獲得し、アカデミー賞主演女優賞にもノミネートされた。

作品情報

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