『マイ・レボリューション』上映後Q&Aレポート
上映日:2019年6月23日(日)14:10
ゲスト:ジュディス・デイビス(監督/俳優)
MC:矢田部吉彦
通訳:山田紀子
6月23日(日)イオンシネマみなとみらいにて、『マイ・レボリューション』上映後に監督と主演をつとめたジュディス・デイビスによるQ&Aが開催された。
『マイ・レボリューション』は、共産主義の両親に育てられた30代の女性アンジェルが主人公だ。両親の影響から社会変革について意識的なアンジェルは、都市開発プランナーとして働く一方、仲間たちと自由に議論できるグループを作るようなエネルギッシュな女性である。ジュディス・デイビス監督が自らアンジェルを演じた。
初の長編映画に、このようなユニークな題材を選んだことを問われると、「実は私は10年以上前に“疑いの恩恵”という名前の劇団を立ち上げています。出来事をただ受け取るのではなく、“本当にそうなの?”と疑ってみることで、より深く考えられるようにするためです。今回映画にも出演している4人と一緒に、さまざまな社会問題を扱った舞台を上演してきました」とジュディス監督。「監督・脚本・主演と私の名前がクレジットされているので、さも私が一人で作ったように見えるかもしれませんが、そうではなくて、劇中と同じように、みんなで議論して作り上げていった作品です」。
客席からは「登場人物の服装や髪型、部屋のインテリアが、見事に各キャラクターの個性を表していますね」という感想が出た。「私が描きたかったのは、さまざまな社会的ポジションにある人々が、それぞれどのようなジレンマを抱えて生きているのかということなので嬉しい感想です。とはいえ、あまり製作費をかけられなかったので、ある登場人物の服装がいつも同じブランドになってしまったりもしたのですが…(笑)」と語ると、場内からも笑いが起きた。
劇中、アンジェラは会社を解雇され、両親や恋人ともなんども衝突を繰り返す。その様子は登場人物、全員が怒っているように感じられるほどだ。観客の一人から「素晴らしい映画だったけど、単純に面白かったとか、感動したとかいうのとは違った映画体験で、なんだか不思議な感じでした」という感想も出ていた。
ジュディス監督は、「『マイ・レボリューション』というタイトルには、革命を起こすとまではいかなくても、一人一人が自問自答をして、自分のできる事を一生懸命にやり、そのことで各々がどう変わっていくのかという意味を込めています。ですから、ラストシーンはハッピーエンドのつもりで作りました。観客の皆さんには元気になって劇場を後にしてもらいたかったのです。今後も芝居と映画を並行して続けていきます」と力強く語った。