6/23(土)『マルヴィン、あるいは素晴らしい教育』上映後Q&Aレポート

マルヴィン、あるいは素晴らしい教育

6/23(土)『マルヴィン、あるいは素晴らしい教育』上映後Q&Aレポート

ゲスト:アンヌ・フォンテーヌ、フィネガン・オールドフィールド
モデレーター:矢田部吉彦

『夜明けの祈り』『ココ・アヴァン・シャネル』のアンヌ・フォンテーヌ監督の最新作『マルヴィン、あるいは素晴らしい教育』がフランス映画祭 2018にて上映された。フランス映画界注目の新星、フィネガン・オールドフィールドの演技にも注目の話題作。“人と違うこと”でいじめられ孤立した少年が、自分を理解してくれる仲間を見つけ、人生を再生させていくストーリー。上映後に監督のアンヌ・フォンテーヌと、フィネガン・オールドフィールドが登壇し、観客とのQ&Aを行なった。

映画の着想はどこから得たのですか?

アンヌ・フォンテーヌ監督:エドワード・ルイという作家の自伝的な本からです。彼の幼少期が描かれている本で衝撃を受けました。そこで「もし彼が大人になったらどうなるのだろう?」と考えてこの映画を作ったのです。本から得たインスピレーションをふくらませて着想しました。

フィネガン・オールドフィールドさんは、いまフランス映画界期待の若手俳優ですが、本作に出演するきっかけは?

マルヴィン、あるいは素晴らしい教育
フィネガン・オールドフィールド:オーディションを受けに行きました。とても上手くいったと思ったので、役に選んでくれてとても嬉しかった。ぼくは演劇の舞台に出た経験がないので、演劇の役者を演じられることに興味があったんだ。

「マルヴィン」という名前なんですが、お父さんがマーヴィン・ゲイを聞いているシーンがありましたが、そこからでしょうか?

監督:マルヴィンというファーストネームは、フランスでは珍しいと思います。主人公の彼は、さらに「ビジュー」という姓を持っているんですが、これはフランス語だと「宝石」という意味なんです。日本で「宝石さん」という苗字の方が多くいらっしゃるかどうか分かりませんが(笑)。この風変わりな名前のせいで彼がイジメの対象になってしまうのです。

監督の『ドライ・クリーニング』のシャルル・ベルリングが出演されていましたね。彼をもう一度起用した理由は?

マルヴィン、あるいは素晴らしい教育
監督:以前、このフランス映画祭が横浜で開催されたとき、『ドライ・クリーニング』の上映で来日しました。ご覧頂いて嬉しいです。彼はなんといっても素晴らしい演技をするから起用しました。繊細な演技から、思い切った演技もしてくれます。今回はマルヴィンの初恋役ということで、カリスマ性も求められる役でしたから彼にぴったりでした。実は、新作にも出演してもらっています。

ヴァンサン・マケーニュさんの存在が、シリアスな内容の中で息抜きのような役割を果たしていて、とても好きです。マケーニュさんを起用した理由は?

監督:彼は『夜明けの祈り』(2016)にも出演してもらったのですが、そのときは少しシリアスな役どころでした。今回はもう少し軽い役をお願いしました。彼はコケティッシュなところもあり、ユーモアと狂気を表現することもできます。とてもバランスのとれた俳優です。彼は舞台監督をしていた時に、監督から「ちょっと(映画に)出てみないか?」と誘われて本格的に役者の道に入った人なんです。もともと役者を志していた人ではないので、単に監督の言うことを聞くだけではない、味のある演技をしてくれる俳優です。

今作でフィネガンさんは、イザベル・ユペールさんやグレゴリー・ガドヴォワさんらの名だたる役者さんたちと共演されました。その時の印象的なエピソードなどがありましたら、ぜひ教えてください。

フィネガン:彼らと共演できてとても恵まれているなと思います。特にお父さん役のグレゴリーさんとは演技をしている間、映画を撮っているのを忘れるくらい演技にのめり込んでいました。本当に素晴らしい作品に参加することができました。

イザベル・ユペールさんが本人の役で登場しますが、このアイディアはどこから思いつかれたのですか?

監督:イザベルとは過去に『Mon pire cauchemar』(2011・日本未公開)に出演してもらったことがありました。今回は「あなたが今まで一度も演ったことのない役だから、ぜひ読んでみて」といって脚本を送ったのです。そうしたら後日イザベルから電話があって「面白かったわよ」と。ただ、あくまで本人として出るのではなく、イザベル・ユペール(という女優)を演じてもらいました。

日本では公開の予定が決まっていないのですね?

監督:はい、残念ながら。でも、昨日まで10数本の取材を受けたのですが、日本の記者の方たちからも「この作品は絶対に日本で受け入れられるよ」と言って頂きました。私もそう思います。なぜなら、この作品は単なる同性愛の問題ではなく、「人との違いをどう受け入れるか?」という万国共通の問題を扱っているからです。私も日本での配給が決まることを願っています。

監督の作品は、毎回様々なテーマを扱っていて、監督とは思えないくらい演出スタイルも見事に変えて見せてくれますね。今回の作品は、物語る順番を変えて、先生との出会いの場面を後半に持ってくるような部分が高い効果を生んでいると思います。これは最初から決めていたことなのでしょうか?

監督:脚本段階から決めていました。というのは、子どもが大人になるのをただ時系列で見せていくより、幼少期と成人してからを交互に密接に見せた方が、物語が豊かに見えるからです。

※『マルヴィン、あるいは素晴らしい教育』は日本での公開は未定となっています。

マルヴィン、あるいは素晴らしい教育

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