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【レポート】6/24『夜明けの祈り』トークショー

6月24日(土)、有楽町朝日ホールにて『夜明けの祈り』が上映された。上映後には、監督のアンヌ・フォンテーヌさんと主演女優のルー・ドゥ・ラージュさんがトークショーに登壇。ポーランドを舞台に第二次世界大戦末期の悲劇的な事件で傷ついた修道女たちとフランス人の女性医師が心を通わせる物語に、客席からは多くの質問が寄せられた。

フランス映画祭2015で前作『ボヴァリー夫人とパン屋』(14)が上映された際にも来日しているフォンテーヌ監督は、「東京に再び来ることができてとても嬉しいです。この映画を観て、感動していただければ幸いです」と挨拶し、初来日というドゥ・ラージュさんは、「来日できたのもフォンテーヌ監督のお陰です。とても嬉しいです」と述べた。

まず、司会を務める東京国際映画祭プログラミング・ディレクター矢田部吉彦さんが、ユーモアたっぷりの前作とはまったくテイストの異なる本作の制作経緯について尋ねた。フォンテーヌ監督は、第二次世界大戦末期に実在したフランス人の女医マドレーヌ・ポーリアックの手記からインスピレーションを得て制作に至ったことを明かした。そして、「手記を読んで衝撃を受けたと同時に、修道女たちと女性医師を取り巻く、複雑で、深く、力強い人間模様を描きたいと思いました」と振り返った。

主人公の女医を演じたドゥ・ラージュさんは、今フランスで最も期待されている若手女優のひとり。ドゥ・ラージュさんの起用について監督は、「ルーの表情に、カリスマ性、頑固さ、決意のようなものが見てとれました。当時、女医は少なく、ましてや戦場に赴く女医はなおさら少なかったので、強い意志を持った女性であろうと考え、そのような表情をルーに求めました」と語った。

続いて、観客との質疑応答へ移った。家族から聞いていた悲惨な戦争の話に通ずるものがあると感想を述べた観客に対して、フォンテーヌ監督は、劇中の事件は過去の出来事にとどまらず、現在でも起きている出来事である点を強調した。また、バチカンでの上映においても、本作のメッセージに手応えがあったことも紹介した。

修道女を演じたポーランドの女優たちとの共演について訊かれたドゥ・ラージュさんは、ポーランドの女優たちの集中力の高さや細かい気配りに感じ入ったという。「彼女たちの演じ方を目の当たりにして、自分は見習い中なのだと認識し、とても勉強になりました」と若手らしい謙虚さをのぞかせた。

また、ドゥ・ラージュさんのセリフのない沈黙の場面の演出について問われると、「映画の複雑な作業は、監督が一から十まで指示を出すものではなく、みんなで作り上げていくもの」と応じ、ドゥ・ラージュさんの豊かな表現力を絶賛したフォンテーヌ監督。一方、ドゥ・ラージュさんは、「レースのようにマチルド(主人公)の心の動きが透けて見えるように演技できればと思いました。マチルドの中に生まれる多くの“どうして?”という戸惑いの感情が沈黙につながったのだと思います」と、自身の繊細な演技について分析した。

最後に、矢田部さんから「次回作も東京でお待ちしています」と声をかけられると、フォンテーヌ監督は「もちろん!」と笑顔で応えてトークショーを締めくくり、会場から大きな拍手が贈られた。

『夜明けの祈り』は、8月5日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館など全国順次公開。女性たちの祈りの先に何があるのか、ぜひ劇場で見届けていただきたい。

(取材・文:海野由子/撮影:明田川志保)


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