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【レポート】6/23『エル ELLE』トークショー

6月23日(金)、有楽町朝日ホールで『エル ELLE』が上映された。平日の午後にも関わらず、前売り券・当日券ともに早々に完売した注目作。上映後に、ポール・ヴァーホーヴェン監督とピンクのパステルカラーのスーツに身を包んだイザベル・ユペールさんが登壇。『氷の微笑』(92)等で知られる世界的な巨匠と、本作でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされた大女優に一目会いたいと集まった観客からは、割れんばかりの大きな拍手が沸いた。

本作は、ゲーム会社の社長として働く主人公ミシェルが、自宅で覆面の男に襲われる衝撃的な場面から始まる。犯人を見つけるために行動を起こす彼女だが、事件の真相に迫るに従い、自分でも気づいていなかった欲望や衝動に目覚めていく異色のサスペンス。

ヴァーホーヴェン監督は「5度目の日本ですが、今回は彼女のおかげで特別な来日となりました」とユペールさんを称えると、ユペールさんも「コンニチハ」と日本語で挨拶をし、「監督と一緒に来日できたこと、大勢のお客さんに映画をご覧いただいたことを嬉しく思います」と応じた。

観客からミシェルの本性について質問されたユペールさんは、「自分を滅ぼしてしまう面もあるかもしれないが、彼女はこの出来事を通して、ある意味で自分自身を再構築しているのだと思う。ミシェルの過去や父親の事件が、彼女の本質とリンクしているのかもしれない。しかし、映画本編ではそのことには触れておらず、解釈は観客に委ねられている。レイプという暴力に直面したことで、自分が誰であるかということを関連づけ、男性的な暴力がどこから来るのか知りたいと思っているのかもしれません」と、演じて得た考察を語った。

ユペールさんと役どころについてディスカッションしたのかという質問に対して、ヴァーホーヴェン監督は「ミシェルという人物や動機について、一切、話はしていない。話すべきではないと考えていました」と明かし、観客を驚かせた。「話し合いをすることは、映画作りの助けにならないと思った。私は彼女を信用していたし、直感的な意味で私たちは同じものを見ていたと思う。コミュニケーションをとる必要はありませんでした」と、振り返った。

撮影で苦労したシーンを問われると「何もありませんでしたよ。この映画を観るお客さんの方が大変かもしれません」と笑顔で答えたユペールさん。「あえて言うとすれば、スズメが死ぬシーン。小さな命でも貴重なもので、彼女は救おうとする。いかに命が大切かという、この映画のテーマに通じてくる場面です」と語った。

会場からは沢山の質問の手が挙がっていたが、残念ながら時間切れ。監督とユペールさんが壇上を後にする際には、多くの熱心なファンが客席を立って手を振り、二人と共有した特別な時間の終了を惜しんだ。

『エル ELLE』は、2017年8月25日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ他にて全国順次公開。2度見ると、また違う場面で、新たな疑問も浮かび上がる。劇場にも足を運んで、ミシェルの本性に迫ってほしい。

(取材・文:小嶋彩葉/撮影:白畑留美)


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