レポート

【レポート】6/27 『奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ』

FFF Japon2016_Les Heritiers_QAsession photo 2フランス映画祭4日目の6月27日(月)、有楽町ホールで『奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ』の上映後、マリー=カスティーユ・マンシオン=シャール監督を迎えてのトークショーが行われた。

本作は、人種も宗教も様々な背景を持った生徒たちが集まった落ちこぼれクラスを、全国歴史コンクールに導き、生徒たちを変貌させる歴史教師の奮闘記である。マンシオン=シャール監督は「日本に来ることができて嬉しく思います。日本の皆さんにどのように観ていただけるのか、とても興味があります」と挨拶。
さっそく、実話に基づく本作の題材とどのように出会ったのか、映画化のはじまりについて話を聞くことになった。題材は、本作で脚本の共同執筆をし、俳優としても出演を果たしているアハメッド・ドゥラメさんが、高校3年生の時にマンシオン=シャール監督に出したメールがきっかけで得たものだそうだ。当時、映画業界に関心を抱いていたドゥラメさんは、自ら実体験したコンクールで学生たちがポジティブに生きる姿を描いた脚本を監督に送り、それを読んだ監督が面白いと感じて、共同で脚本を書くことになったのだという。

FFF Japon2016_Les Heritiers_QAsession photo 3続いて、生徒たちのキャスティングについて訊かれると、マンシオン=シャール監督は、2種類のオーディションがあったことを明かしてくれた。すなわち、プロのためのオーディションと、現場となる学校で声をかけて人選するオーディションとを行い、ひとりひとりのパーソナリティを見極め、結果的にクラスの半分が演技経験のある若い俳優たち、残りの半分は映画体験を希望する実際の高校生たち、という構成になったそうだ。また、迫真の演技でアンヌ・ゲゲン先生を演じたのは女優のアリアンヌ・アスカリッドさん。アスカリッドさんには監督がたまたま会った折に脚本を渡したそうだが、「自然体で教師を演じられる女優」と大絶賛。

劇中、心揺さぶられるシーンは、アウシュヴィッツ強制収容所の生存者レオン・ジゲルさんを授業に招待するシーンだ。もちろん、ジゲルさんご本人出演の生の講演シーンであるため、台本はなく、カメラ4台を使用して、生徒たちの生の反応、自然な反応を大切にとらえたそうだ。「レオン・ジゲルの話を聞くことで、歴史は本でもなく、映画でもなく、ドキュメンタリーでもなく、ひとりの人間が生きるということだとわかった。歴史を感じることができた」と語っていたというドゥラメさんの話を紹介してくれたマンシオン=シャール監督。

FFF Japon2016_Les Heritiers_QAsession photo 5最後に、映画業界ではプロとは呼べないドゥラメさんとの共同作業について問われると、マンシオン=シャール監督は「彼が体験して感じたことをそのまま映画にしたい」いう強い思いから、常に、彼と話をして、彼の自宅を訪問し、彼を観察することを心がけていたと答えた。脚本の執筆は、面白いシーンがひらめくと、ドゥラメさんに確認してアドバイスをもらい、書き直すというピンポン作業だったそうだ。こうした徹底した調査と根気強さの上に本作が成立したことに、場内の観客も納得した様子であった。

本作は8月6日(土)より、YEBISU GARDEN CINEMA、ヒューマントラスト有楽町、角川シネマ新宿にて公開が予定されている。

(取材・文:海野由子、撮影:白畑留美)

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