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レポート

【レポート】6/29『チャップリンからの贈りもの』

2015.7.9

AMG_2936main6月29日(月)、フランス映画祭2015の最終プログラムとして『チャップリンからの贈りもの』(14)が有楽町朝日ホールで上映された。上映後のQ&Aにはグザヴィエ・ボーヴォワ監督が登壇。挨拶と共に日本の印象を「特に注目したのは、(日本人が)自分以外の人をリスペクトする態度。大都会なのに、車も静かで物音があまりしない。とても静かで落ち着いた街だと驚いた」と話した。途中、監督からのサプライズに観客も歓喜するなど、クロージングを飾るにふさわしい華やかなトークショーとなった。

AMG_2910S本作は、1978年に実際に起きたチャップリン遺体誘拐事件を映画化。遺族の全面協力を得て、実際に住んだ美しい邸宅や墓地をロケ地に、チャップリンの息子や孫娘が当時の家族役などで特別出演した。作品にちりばめられているチャップリン作品へのオマージュは、ラストシーンまでスクリーンを鮮やかに彩る。

司会を務めた東京フィルメックス・プログラミングディレクターの市山尚三さんから、制作を思いついた経緯について質問されると、ボーヴォワ監督は「家で妻と『ライムライト』(52)を見ている時に、この事件を思い出した。インターネットで調べていくうちに、こんな奇妙きてれつな話はあるのだろうか。これが事実ならば、映画にするべきだと思った」と説明した。

AMG_2965Sボーヴォワ監督の大ファンだという観客は、『シェルブールの雨傘』(64)等の数々の音楽を手掛けた巨匠ミシェル・ルグランさんを起用した理由について質問。ボーヴォワ監督は「映画というのは、まるで魂を持った人間のようだと思っている。映画の方から、ルグランさんの音楽を必要としているという魂の呼びかけがあったので、彼にオファーしたところ、幸運にも受けてくれた。彼は83才だが、熱意に富んだ若々しい人だ」と答えた。音楽は、ルグランさんのご自宅で3週間の共同生活を送りながら作曲。「ピアノの隣に編集機を持込み、直接話し合いを重ねて2人で積みあげながら作っていった。彼のとても熱心な姿を思い出して、私は今でも涙ぐむことがあります」と、ルグランさんへの思いを語った。

AMG_2950S直後、ボーヴォワ監督はいきなり携帯電話を取りだし「彼に電話してみようかな。番号を知っている人は少ないから、結構出る確率は高いんだ」と、ルグランさんに生電話。「ウィ」とご本人が出ると、まさかのサプライズに観客からは大歓声と拍手が巻き起こり、会場のボルテージは一気に最高潮へ達した。「今、日本の観客と一緒にいるんだ」とボーヴォワ監督が話すと、電話越しに観客の歓声と拍手を聞いたルグランさんも「日本の皆さんに乾杯!」と明るい声で応じ、日本のファンを大いに喜ばせた。

AMG_2945S本作は、7月18日(土)より、YEBISU GARDEN CINEMAほかで、全国順次ロードショー予定。チャップリンが映画『ライムライト』(52)のために書いた主題曲の旋律をモチーフに展開する挿入曲は、作品全体をきらめくような音楽で彩る。美しい音楽と映像、そしてユーモア溢れる温かな人間愛をもう一度劇場で味わってほしい。

(取材・文:小嶋彩葉、撮影:白畑留美)

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