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ティンブクトゥ(仮題)

Timbuktu

本年度セザール賞を席巻!音楽を愛する父と娘の苦しみと戦いを描いた感動作

作品情報

本年度セザール賞にて最優秀作品賞など7部門受賞、米国アカデミー賞外国語映画賞部門ノミネートの快挙を遂げた本作は、世界遺産にも登録されているマリ共和国の古都を背景に、音楽を愛する父と娘がイスラム過激派の弾圧に苦しみ、戦う姿を真摯に描いた感動作。ティンブクトゥからそう遠くない、ある街でキダーンは妻のサティマ、娘のトーヤ、そして12歳の羊飼いのイッサンと音楽に溢れた幸せな生活を送っていた。しかし街はイスラム過激派に占拠され様相を変えてしまう。恐怖に支配され、過激派の兵隊が作り上げた法によって住民たちは、歌、笑い声、たばこ、そしてサッカーでさえも禁止されてしまう。毎日のように悲劇と不条理な懲罰が繰り返されていく中、キダーンと彼の家族は、混乱を避けてティンブクトゥに避難する。だが、ある日漁師のアマドゥがキダーンの飼っていた牛を殺したのを境に、彼らの運命は大きく変わってしまう。

監督:アブデラマン・シサコ
出演:イブラヒム・アメド・アカ・ピノ、トゥルゥ・キキ、アベル・ジャフリ
2014年/フランス・モーリタニア/97分/16:9/5.1ch
配給:RESPECT  配給協力:太秦

2015年 公開予定

受賞歴
2015年 セザール賞最優秀作品賞・監督賞・脚本賞ほか7部門 受賞
2015年 アカデミー賞®外国語映画賞ノミネート

© 2014 Les Films du Worso  ©Dune Vision

監督・キャスト
監督プロフィール
監督: アブデラマン・シサコ

Abderrahmane SISSAKO
1961年、モーリタニア生まれ。
幼少期にマリに住み、21歳からはモスクワ映画学院で学ぶ。現在はフランスを拠点に活動。本作は昨年のカンヌ国際映画祭コンペティション部門で上映され大きな感動を呼んだ。ベルリン国際映画祭などの国際映画祭で審査員を務め、今年のカンヌ国際映画祭ではシネフォンダシヨンと短編部門の審査委員長を務める。

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ニュース

【レポート】6/28『ティンブクトゥ』(仮題)

2015.06.30

AMG_2416S6月28日(日)、有楽町朝日ホールで『ティンブクトゥ(仮題)』が上映された。今年、フランスで最も権威ある映画賞・セザール賞で7部門を受賞し、アメリカのアカデミー賞外国語映画賞にもノミネートされた話題作である。上映後にはアブデラマン・シサコ監督がトークショーに登壇。アフリカのマリ共和国を舞台に、武装した過激派集団に占拠された街に暮らす人々の姿を描いたドラマに、客席から数々の質問が寄せられた。

AMG_2481_1S拍手に迎えられて姿を現したシサコ監督は、「この映画をご覧いただいたことにお礼申し上げます」との言葉に続けて、映画の背景を説明してくれた。

2012年、アフリカにあるマリ共和国の北部を武装したイスラム過激派が占拠。1年続いたその状況の中で、一組のカップルが死ぬまで石を投げつけられる“石打ちの刑”に遭う事件が発生する。これを新聞報道で知り、大変なショックを受けたという。この事件をヒントに製作されたのが本作。シサコ監督は「野蛮な行為や暴力に反対するための映画です」と明言した。

さらに、AMG_2399S「もうひとつこの映画で見せたかったことは、イスラム教は決して暴力的な宗教ではありません。ただ暴力を使う人がいるということです。そもそも宗教というのは、暴力ではなく、愛であり、受け入れる事、そして許すということです」と続けた。

アフリカの砂漠地帯を舞台にした本作には多数の人物が登場し、その立ち振る舞いは非常にリアル。シサコ監督は出演者について「プロの俳優と映画に出演したことのない人が混じっています」と前置きして、その内訳を説明。主人公を演じたのは音楽家でその妻役は歌手、過激派のリーダーはフランスで活躍するアルジェリア出身の俳優など、芸術分野で活躍する人たちがいる一方で、撮影を手伝ってくれた人や監督の友人も出演するなど、国籍も職業も異なる多彩なキャストによって成立していることを明かした。

AMG_2378Sさらに話題は、登場人物の描写にも及んだ。劇中では、住民はもとより過激派のメンバーも暴力的な一面だけではなく、日常描写を交えて1人の人間として描かれている。「暴力を見世物のように描きたくなかった」と語るシサコ監督は、続けて「重要なのは、野蛮な行為や暴力は人間が行なうことであり、だからこそ恐ろしいのだということです。人間にこのような能力があることを示したかったのです」と力説。

AMG_2433S一方、住民たちの描写については、マリ北部占拠中に執筆した脚本を元に、解放後に現地取材した人々の話を取り入れる形でまとめられた。「そこで会った人たちは、平和的な抵抗を行なっていました」“平和的な抵抗”とは、サッカーや歌が禁じられた状況の中、ボールなしでサッカーをする少年たちや、歌を歌った罪で“鞭打ちの刑”を受けている最中に歌い続けた女性を指し、その様子は劇中でも描かれている。
「特に、女性たちが勇気を持って行っているということを示したかったのです」。

AMG_2381S「トークショーは得意ではありません」と言いながらも、映画の解釈や宗教を巡る質問に対して、ひとつひとつ丁寧に答えてくれたシサコ監督。その姿からは、作品に込めた強い想いが伝わってきた。

『ティンブクトゥ(仮題)』は2015年冬ユーロスペースほかにて公開予定。去り際に「みなさんが、この映画を発見してくれることを願っています」と語った監督の想いを、1人でも多くの人が劇場で受け止めてくれることを願ってやまない。

(取材・文:井上健一、撮影:白畑留美)

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