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ヴェルヌイユ家の結婚狂騒曲

Qu'est-ce qu'on a fait au bon Dieu ?

「神様、なぜ私たちばかりがこんな目に?」ヴェルヌイユ夫妻の苦悩は尽きない…

作品情報

昨年4月にフランスで公開され、観客動員1200万人を突破した大ヒットコメディ。ロワール地方の町シノンに暮らすヴェルヌイユ夫妻は敬虔なカトリック教徒。三人の娘がユダヤ人、アラブ人、中国人と結婚し、せめて末娘だけはカトリック教徒と、と願っていた夫妻は、パリで暮らす末娘のボーイフレンドがカトリック教徒と聞いて安堵する。だが、末娘が連れて来たのはコートジボワール出身の青年だった…。宗教、異文化についての際どいギャグを交えつつ、多様な人種が混在するフランス社会の懐の深さを大いに感じさせる作品。

監督:フィリップ・ドゥ・ショーヴロン
出演:クリスチャン・クラヴィエ、シャンタル・ロビー
2013年/フランス/97分/DCP/ビスタ/ドルビーSR

受賞歴
2015年 リュミエール賞 脚本賞受賞

© 2013 LES FILMS DU 24 – TF1 DROITS AUDIOVISUELS – TF1 FILMS PRODUCTION

監督・キャスト
監督プロフィール
監督: フィリップ・ドゥ・ショーヴロン

Philippe de CHAUVERON
1965年、パリ生まれ。
『ボクサー/最後の挑戦』(95)で脚本家としてキャリアをスタートさせた。99年以降は監督やテレビシリーズの脚本も多数手がける。バンド・デシネ(フランスの漫画)を映画化した「L'ELÈVE DUCOBU(デュコブ)」(10)の大ヒットを受け、翌年には続編「LES VACANCES DE DUCOBU(デュコブの夏休み)」を監督した。

出演者プロフィール
出演: クリスチャン・クラヴィエ

Christian CLAVIER
1952年、フランス・パリ生まれ。
75年にデビューした後、大ヒット・コメディのシリーズ1作目『レ・ブロンゼ/日焼けした連中』(78)に出演し、一躍スターとなる。『おかしなおかしな訪問者』(92)ではセザール賞主演男優賞にノミネートされた。脚本や監督、製作にもマルチに才能を発揮し、フランスで絶大な人気を誇る俳優の一人。

出演: シャンタル・ロビー

Chantal LAUBY
1957年、フランス・ギャップ生まれ。
87年にコメディ・グループ“レ・ニュル”を結成し、カルト的人気を得た。『カンヌ映画祭殺人事件』(94)、『ディディエ』(96)は、レ・ニュルのメンバーと共に作り上げた作品。その後も女優として多数の作品に出演する。フランス映画祭2003にて上映された『夢の中に君がいる』(02)は初長編監督作品。

© Pascalito / Sipa Press

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ニュース

【レビュー】『ヴェルヌイユ家の結婚狂騒曲』

2015.06.08

film_02_01_s2014年のフランスの興行成績は、国産映画の相次ぐヒットによって牽引されたと話題になった。その牽引力のひとつがこの『ヴェルヌイユ家の結婚狂騒曲』。社会の多様性に翻弄される家族をコミカルかつシニカルなタッチで描く。

本作の舞台はロワール地方の町シノン。そこに暮らすヴェルヌイユ夫妻には4人の美しい娘がおり、年頃の娘たちは次々と嫁いでいく。娘たちが選んだ相手は、ユダヤ人、アラブ人、中国人…。いずれもヴェルヌイユ夫婦が思い描いていた娘婿とはかけ離れた条件の相手だった。人種も、文化的背景も、宗教も異なる娘婿たちを迎えるヴェルヌイユ夫妻の戸惑いは大きく、娘婿同士の些細な対抗意識もエスカレートしていく。

film_02_02ヴェルヌイユ夫妻を演じるのは、コメディ映画の常連、クリスチャン・クラヴィエとシャンタル・ロビー。娘婿たちに対する不満を言いたい放題の夫クロード、半ば諦めた様子で夫を諌める妻マリー、この夫妻の愛すべき絶妙なケミストリーは見逃せない。そして4人娘とその伴侶たちの個性豊かなキャラクターにも注目してほしい。

film_02_03本作では、人種、宗教、異文化を扱った数々のジョークが飛び出す。思わず笑ってしまうのだが、笑った後に、「笑えないジョークだったのかもしれない」と小さな後ろめたさを感じたり、「いや、ジョークなのだから笑い飛ばしていいのだ」と自分に言い聞かせてみたり。もちろん受け止め方や反応はさまざまだろうが、まだ記憶に新しいシャルリー・エブド襲撃事件の衝撃が頭の中をよぎってしまう。こうしたパンチの効いたジョークやテンポの良い軽妙な会話のやり取りを通じて、互いに心を通わせ一つの大きな家族となっていく過程が、本作の見どころである。数々の作品の脚本を手がけてきた監督のフィリップ・ドゥ・ショーヴロンは本作でも脚本に参加し、2015年リュミエール賞で脚本賞を受賞、その確かな実力を発揮している。

本作のヴェルヌイユ家の騒動は、まさしくフランス社会がいま抱えている葛藤を映し出しているように見える。その一方で、多様であるがゆえの苦悩を新たな喜びに変えていく家族の底力も同時に見せてくれる。シノンの町に注がれる柔らかい陽光に包まれながら、ヴェルヌイユ家の一員になったつもりで、ぜひ一家の行く末を見届けていただきたい。

(文・海野由子)

『ヴェルヌイユ家の結婚狂騒曲』作品情報
Qu’est-ce qu’on a fait au bon Dieu ?
監督:フィリップ・ドゥ・ショーヴロン
出演:クリスチャン・クラヴィエ、シャンタル・ロビー
2013年/フランス/97分/DCP/ビスタ/ドルビーSR
© 2013 LES FILMS DU 24 – TF1 DROITS AUDIOVISUELS – TF1 FILMS PRODUCTION


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